命を救う瞬間に立ち会う救命士の仕事
救急医療に魅了され、救命士として働く著者。緊急事態での冷静な判断力と、患者や家族への感謝の言葉が何よりのやりがい。チームワークの大切さや、最新技術の習得など、救命士の仕事の魅力と課題を語る。
あなたは救命士としてどのような経緯でこの職業を選んだのですか?
私は若い頃から人を助けることに興味がありました。高校生の時に救急医療に関するドキュメンタリーを見て、命の危機に瀕した人々を救う仕事に強く魅了されました。その後、大学で医療関連の勉強をしながら、救急救命士の資格を取得するためのトレーニングに参加しました。実際に現場での実習を通じて、緊急事態での対応力を身につけ、最終的に救命士として働くことを決めました。
この仕事のどの部分が最もやりがいを感じますか?
やはり、命を救う瞬間に立ち会えることが最大のやりがいです。特に心肺停止状態の患者を蘇生させることができたときの達成感は言葉にできません。また、感謝の言葉をいただくと、自分の仕事が誰かの人生に直接的に影響を与えていることを実感できます。患者さんやその家族からの感謝の手紙や言葉は、どんなに大変な日でも自分を励ましてくれます。
救命士として働く上で最も困難な点は何ですか?
最も困難なのは、緊急事態での判断力と冷静さを保つことです。時間との戦いの中で、適切な判断を瞬時に下す必要があります。特に、多重事故や自然災害など、大規模な緊急事態に直面した際には、プレッシャーが非常に大きいです。また、精神的にも肉体的にも負担が大きく、長時間の勤務や夜間の出動もあるため、体力と精神力の維持が課題となります。
普段の勤務中にどのような準備をしていますか?
普段の勤務中には、常に装備や機材の点検を欠かさず行っています。緊急事態に備えるため、すべての機器が正常に作動することを確認するのは重要です。また、定期的にトレーニングを受け、新しい医療技術や手法について学び続けています。シミュレーショントレーニングも重要で、現場での状況を想定した訓練を通じて、スムーズに対応できるように準備しています。
救命士としてのキャリアで特に印象に残っているエピソードはありますか?
ある日の夜、若い女性が心肺停止状態で搬送されました。到着してすぐに心肺蘇生を開始し、AEDを使用しました。その結果、彼女は蘇生し、無事に病院に運ぶことができました。後日、その女性の家族から感謝の手紙をいただき、彼女が完全に回復したことを知りました。命を救うことができた瞬間と、その後の感謝の言葉は、一生忘れることができません。
チームでの協力はどのように行っていますか?
救命士の仕事はチームワークが非常に重要です。現場では医師、看護師、警察官、消防士など多くの職種の方々と連携します。常にコミュニケーションを取り合い、役割分担を明確にして効率よく対応するよう心掛けています。また、定期的に合同訓練を行い、実際の現場での連携をスムーズにするための準備をしています。信頼関係を築くことが、迅速かつ的確な対応に繋がります。
この仕事に就くためにどのような資格や訓練が必要ですか?
救命士になるためには、専門の養成校での教育を受ける必要があります。基礎的な医療知識や技術を学び、実際の現場での実習を通じて経験を積みます。また、国家試験に合格することが必要です。さらに、救命士として働きながらも、常に最新の医療技術や情報を学び続けるために、定期的なトレーニングや研修への参加も求められます。
救命士の仕事をする上でのモチベーションは何ですか?
モチベーションの源は、人々の命を守るという使命感です。誰かの最も困難な瞬間に立ち会い、その人の命を救うことができるというのは非常に価値のあることです。また、日々の勤務の中で、患者さんやその家族からの感謝の言葉を聞くたびに、自分の仕事が社会にとって重要であることを実感し、さらに頑張ろうという気持ちになります。
救命士としての仕事がプライベートに与える影響はありますか?
長時間の勤務や夜間の出動が多いため、家族との時間を調整するのが難しいことがあります。特に緊急事態が続くと、プライベートの時間が削られることも少なくありません。しかし、家族や友人の理解と支えがあることで、仕事とプライベートのバランスを保つことができています。また、ストレスを発散するための趣味やリラックスする時間を意識的に作るようにしています。
将来の目標や夢は何ですか?
将来的には、救命士としての経験を生かして教育者として働きたいと思っています。新しい救命士を育てることで、より多くの命を救うことに繋がると考えています。また、災害医療や国際支援活動にも興味があり、これまで培った技術と知識を広く社会に貢献するために活用していきたいです。命を守るための活動を続けながら、常に自分自身も成長し続けることが目標です。