2025年11月10日、長野県内で国土交通省の交通空白解消プロジェクトの一環として、信大発スタートアップOURCARがカーシェアリング実証実験を開始します。この実証実験は、地方における公共交通機関の縮小に伴う交通課題の解決を目指し、地域の住民や観光客に新たな移動手段を提供します。

この実証実験では、長野市、上田市、松本市、原村の4地域で、37社と自治体が協力し、100台の社用車を活用します。これらの車両は、業務で使用されない夜間や休日にOURCARのシステムを通じて共同使用されます。利用者は、OURCARのウェブアプリを利用して、30分300円から利用可能な車を検索・予約できます。

実証実験の背景には、長野県内における公共交通機関の縮小が挙げられます。運転手不足や人口減少により、多くの路線が運行終了の予定となっており、新たな移動手段の確保が急務となっています。

OURCARは、車両オーナーが使わない時間帯に車をシェアすることで維持費を削減できる一方、利用者は24時間いつでも車を検索・予約できるという利点があります。現在、登録車両は約110台、ユーザー数は約1,400人を超えています。

株式会社TRILL.の代表取締役社長である藤森研伍は、この実証実験を通じて、地域の交通課題と車両維持費の負担という二つの社会課題に取り組む意義を強調し、この仕組みが大きなムーブメントを生み出す可能性を示唆しています。

国土交通省の内山裕弥様は、この新しいビジネスモデルが地域の足を確保し、交通空白解消の先進事例として広がることを期待しています。

この実証実験は、長野県内の交通空白解消に一石を投じるだけでなく、持続可能な交通手段の創出を目指す重要な試みとなります。