株式会社WAVE1は、2025年11月19日よりマンション管理組合専用の気象防災サービス「マンション防災なび powered by ウェザーニューズ」を提供開始します。このサービスは、株式会社ウェザーニューズの法人向け気象情報を活用し、分譲マンションの管理組合向け災害情報サービスとして構築されました。
サービスの背景には、2016年に発生した熊本地震での経験があります。多くの分譲マンションが被災し、管理組合が被害状況の把握や対応方針の決定に苦慮したケースが相次ぎました。この実情を踏まえ、WAVE1は「災害時に管理組合が“情報弱者”とならないこと」を目的に本サービスを構築しました。
一方、首都圏では、在宅避難に必要な備蓄の促進や防災意識の向上が急務となっています。実際、東京23区を対象とした調査では、大地震発生後、自宅に損傷がなければ在宅避難を望む住民が約75%にのぼる一方、避難所を選ぶと答えたのは16%にとどまりました。このように、熊本地震での経験と首都圏における在宅避難の現実が、管理組合が正しい情報に基づき迅速に判断・対応できる仕組みの必要性を示しています。
「マンション防災なび powered by ウェザーニューズ」は、管理組合が必要とする気象・防災情報を一元管理し、関係者全員がリアルタイムで同じ情報を共有できるよう設計されています。主な特徴として、管理組合の所在地に応じた気象・防災情報を自動で収集・表示し、日常的な備えから緊急時の判断まで幅広く活用できます。
サービス提供に先立ち、マンション管理組合理事や理事経験者を対象にモニター調査を実施しました。多くの参加者が「機能改善があれば有料でも使いたい」と回答し、料金は月額1,000円以下を希望する声が中心でした。住民から理事への相談内容としては「避難のタイミング」「備蓄」「防災訓練」「ハザードマップ対応」などが挙げられ、本サービスがこうした課題解決に有効と期待されています。
WAVE1は、消防・防災分野で培った現場ノウハウを活かし、「マンション防災なび」を全国のマンション管理組合へ展開していきます。単なる情報提供にとどまらず、管理組合の意思決定プロセスに寄り添う導入支援・運用サポートを行う点が特長です。
さらに今後は、防火管理業務をAIで診断・最適化する「防火管理AI診断」との連携を視野に入れています。同サービスは建物や施設のリスクをデータに基づいて分析し、必要な対策や改善点を可視化できる仕組みを提供しており、従来属人的だった防火管理の判断を客観化・効率化する技術として注目されています。
サービス提供開始にあたり、管理会社やマンション管理組合を対象にトライアル導入プログラムを実施します。募集定員は先着20組合・企業で、募集期間は2025年11月19日から12月31日です。参加団体は、現場での利用体験を通じてフィードバックを提供いただくと同時に、優先的に新機能や改良版サービスをご利用いただける特典があります。