
2024年1月の能登半島地震と同年9月の豪雨災害から1年が経ち、一般社団法人グリーンコープ共同体は、被災地の復興支援活動を継続しています。西日本を中心に16の生協で構成されるこの組織は、災害直後から現地に拠点を置き、地域の復興に寄り添っています。
災害発生直後から断水や倒壊被害が残る地域に水やタオルを届けるなど、物資支援から始まり、サロンやイベント、地域産業との連携など、暮らしと経済の再建に向けて活動を重ねています。組合員からの募金に支えられた約1.9億円の募金額を原資として、被災地での活動を継続しています。
2024年9月から12月にかけては、断水が続く輪島市や珠洲市の避難所に水やタオルを届け、福岡から軽トラックを持ち込み、土嚢や災害ごみの運搬も担いました。その後、地域の復旧を支援するため寺院での泥出し作業に参加しました。11月には輪島市町野町で唯一のスーパー「もとやスーパー」が営業を再開し、住民とともに再建の喜びを分かち合いました。
さらに珠洲市では、地域飲食店が立ち上げた「すずキッチン」が弁当販売と食堂運営を開始し、グリーンコープは10月から食材提供や輸送支援を行い、住民の栄養と安心を支える取り組みに加わりました。12月には能登町の「マッハコーヒー」がグリーンコープ全店舗で販売開始し、被災地で生まれた「イカキングコーヒー」を組合員に届けると同時に、売上の一部が能登町やボランティア団体に寄付される仕組みをつくり、地域経済と雇用の回復を後押ししています。
2025年1月から3月にかけては、輪島市河井小学校の仮設合同校舎で防災用品の贈呈式を行い、小中学生約800人分のヘルメットや手袋、マスクを配布しました。その後、福岡市で復興支援イベントを開き、能登の特産品や工芸品を販売しました。3月には宅田町仮設住宅での炊き出しで親子丼を提供し、七尾市や珠洲市での地域イベントにも参加し、被災地に暮らす方々の交流や憩いの場づくりを支えてきました。
春から初夏にかけて、被災地での新たな挑戦が始まりました。大谷地区にオープンした「みんなのスーパー長橋食堂」では商品提供やイベント支援を行い、5月には「道の駅すずなり」周年祭、6月には「七尾市矢田郷フェスタ」に参加して、びん牛乳の試飲や焼鳥販売を実施しました。
一方で町野地区の保育園には、水質悪化に対応して水や食材を定期的に届け、子どもたちの給食を支えています。さらに能登高校や自立支援センターみずほのクッキー、能登ふれあい公社のブルーベリージャムなどを販売し、被災地の事業再建や雇用づくりにもつなげています。
夏には珠洲市狼煙町に「狼煙のみんなの家」が竣工し、グリーンコープは食材提供や輸送を担い、ここで定期的に行われる「みんなの食堂」に協力しています。輪島市の大野町仮設住宅やまちの保育園でサロンを開き、たこ焼きや梅ヶ枝餅づくりで交流を後押ししました。
被災地に寄り添い、これからも
豪雨災害から1年が経ちましたが、地域にはまだ多くの課題が残されています。グリーンコープはこれからも、現地に拠点を置き、住民や団体の皆さまとともに歩みながら、復旧・復興に寄り添い続けます。