
津山工業高等専門学校(津山高専)は、2025年8月23日に開催されたSMART四国ロボットチャレンジ2025に参加し、優勝しました。この大会は、自律移動型ロボットの大会で、2000年に第1回大会が開催されて以来、ほぼ毎年開催されており、中国・四国地区の大学、高専、高校から多くのチームが参加しています。
この大会の目的は、モノづくりやプログラミングを通じて地域人材の育成と地域活性化を図ることです。さらに、ハードウェアとソフトウェアの両面を体験することで、問題解決力、論理的思考力、コミュニケーション力の育成も図っています。
【SMART四国ロボットチャレンジの競技内容】
競技課題であるSelf-driving Challenge 2025では、ロボットは2分間の競技時間内に競技フィールドに配置された6個のペットボトルキャップの上にピンポン球を配置します。競技終了時に配置できたピンポン球の数で得点が決まります。同点の場合は、ゴールタイムやピンポン球を配置した時点での経過時間により順位が決定されます。
【本校ロボットの強み(または技術的特徴)】
優勝を果たした学生が製作したロボットは、カラーセンサーを利用してライントレースを行い、黒色のラインの上を移動します。超音波センサーがキャップを検知した際に、ピンポン球を適切にキャップに配置することが可能です。ハードウェア的特徴として、6つのピンポン球を縦に積むことができるストレージを搭載しており、一番下にあるピンポン球を落とすためのピストン運動を伴うハンマー機構も備えています。この機構では、初期に複数のピンポン球が同時に落ちる問題があったため、ゴム製のパーツを追加して抵抗力を発生させ、1個ずつピンポン球を落とせるよう工夫しています。
ソフトウェア的には、ロボットがピンポン球を配置するキャップの位置を特定するプログラムに工夫を凝らしています。超音波センサーとキャップとの距離が6cm以下になった時点で、ライントレース動作からロボットがキャップの中心位置に移動する動作に切り替わります。まず超音波センサーでキャップとの距離を測定し、その後ロボットが前進し、再度距離を測定します。そして、最初の測定値から後の値を引き、負の値になるまでこの処理を繰り返します。このように処理を繰り返すことで、ロボットがキャップの中心付近で停止し、ピンポン球がキャップから落ちず安定して配置できるようになります。
【参加した学生の感想】
大会前の数日間、朝から晩までロボットのハードウェアやプログラムの調整を行いました。そのため、大会当日は会場での調整がほとんど不要で、本番に臨むことができました。ロボットがスタートし、一度ライントレース動作に入れば、ほぼミスなくピンポン球を配置することができました。しかし、スタート時の初期位置に関する誤差を解決するためのプログラムやリスター用のプログラムも作成していれば、さらに得点を獲得できたと思います。
他校の学生が製作したロボットには、面白く実用的な機構が多々あり、驚きを受けました。このような大会に参加する機会があれば、今回の反省点を活かし、ロボットの機構やプログラムにおいて、他のチームに負けないものを作りたいと考えています。