エンタメ
06月12日
「お金より、担当するタレントの笑顔が自分の報酬」。そう語るのは、パチンコ・スロット業界でタレントと企業をつなぐマネージャー。数字や効率よりも、人が喜ぶ瞬間を大切にしてきた。裏方であり続ける理由と、その静かな信念を聞いた。
Q&A
インタビュー
現在のお仕事を教えてください
はい。現在はパチンコ・スロットのタレント、もしくはコンパニオンのプロデューサーや営業などをしております。具体的には、一人のタレントさんに対してマネジメント業務を行い、お仕事の依頼があればその方に紹介します。「こういうことができますか」とお話をして、タレントの方が「できます」と答えたら、それを代理店や企業様にお伝えするという、仲介の役割になります。
業界へ入った経緯を聞かせてください
さかのぼると、最初は学生の時に、音楽やタレントアーティストのイベントの仕事をアルバイトでやっていました。それをきっかけに、就職した時は最初アイドルの事務所に所属しました。そこで裏方をやっているうちに、パチンコ・スロットの企業様と関わる機会があり、それをきっかけに転職をしました。分かりやすく言うと、パチンコ・スロットの事務所に就職し、そこでスキルや経験を学んで、今はフリーになって現在に至るという感じです。
タレントはどんな仕事をするのですか
そうですね。実際、今はタレントさんや芸能人の方も、パチンコ・スロットの番組や、店舗に来店という形でお仕事をいただいている方が結構いらっしゃいます。どちらかというと、タレントさんたちが集客をするために呼ばれるという形ですね。タレントさんが来ることで、普段は得られない集客ができます。例えば、1日100人くらいの集客だった店舗が、有名なタレントさんを呼ぶことによって、1000人、2000人と、お店に入りきれないくらいのお客様を集めることができるんです。そういった効果を期待して、店舗様が呼んでいるという感じになります。
転機になった出来事は何でしたか
一番決定的だったのは、パチンコのタレントさんに「お仕事をやってみないか」と言われたことですね。その方が第一線で活躍している方だったので、正直、やるかどうか悩んでいたところもあったのですが、声をかけていただいて、じゃあやってみようということになりました。最初は裏方をやっていたのですが、フリーになるにあたって、自分もタレントとして活動してみようという気持ちになりました。そこは結構迷いもあったのですが、一度やってみたいと思いまして。その時に、第一線で活躍している方に、お仕事や会社さんを紹介していただくなど協力していただいて、それがタレントを始めるきっかけになりました。
転向後に大変だったことは何ですか
一番大変だったのは、仕事がなかなかなかったことと、表側と裏方とではやることが全く違うことですね。その頃はあまり知識がなかったので、どうしたらいいんだろうという感じになっていました。大きな違いとしては、一般のお客様とタレントとでは、やることがだいぶ違うんですよね。一般のお客様はお金を入れて普通に楽しんで、満足したら帰るという感じですが、タレントになると、それが一つの仕事になります。朝何時に行って何時までこなすか、入りと出の時間がしっかり決まっているので、そこまできちんとこなすという意味で、ただパチンコ・スロットを打つだけではなく、お客様やファンとの交流や、お店の宣伝も含めた一日全体の仕事をこなすのは、結構大変でした。
タレントの一日はどんな流れですか
具体的に言うと、タレント側は、お仕事が決まったら朝その日に現地へ行きます。パチンコ屋さんですと、朝に抽選があるんですよ。入場抽選というものがありまして、お店がオープンする例えば30分前などに、その時間に行って抽選を受け、自分が何番に入場するかという入場整理券のようなものをいただきます。それから並んで、実際にオープンの時間になったら入場するという流れです。そこから自分の打ちたい台に座って打ちます。その際、カメラがあったりなかったりという感じなのですが、パチンコ・スロットのタレントの仕事は、二極化というわけではないものの、撮影と実践来店があります。撮影は文字通りカメラマンがいて、遊技しているところを撮影しながら打つという形で、それが一つのお仕事。もしくは、カメラがない状態で、通常のお客様のような感じで打つという、2種類があります。自分はそのどちらもやったのですが、一番大変なのはカメラが回っている時ですね。最初の頃は何を喋っていいのかも本当にわからなかったので、それが大変だったという思い出があります。
一番頭を使うのはどんな場面ですか
頭を使う場面は各所にあるのですが、今はタレントのサポート側、裏方になっていまして、各代理店や企業様から毎月ほぼ毎日のように、「誰々さんできませんか」という形で依頼が来ます。その仕事がそのタレントさんに合っているかどうか、お給料も含めて、このタレントさんよりこちらのタレントさんの方がいいのではないか、という判断ですね。そこがまず大変です。何でもかんでも仕事を受けるわけではなく、一旦自分がクッションを挟むので、本当にこの仕事で大丈夫か、活躍できるかを考えるのが、少し難しいところです。あとは、実際にその仕事をタレントさんにお伝えすると、タレントさんから「やりたい」「こうしてほしい」といった要望が割と多く出てきます。その部分を企業様や店舗様にお伝えして、「こういうことができますか」と交渉する。そこの駆け引きが、第一に頭を使うところですね。
やっていて良かった瞬間はいつですか
自分が抱えているタレントさんのお仕事が決まった時、これが何よりの喜びですね。特に、本当に一番最初のお仕事が決まった時は、もちろんタレントさんも「やっとお仕事が決まった」と喜びますし、自分も「ようやく決まった、良かった」という気持ちになります。その瞬間が一番いいですね。自分が抱えているタレントさんの笑顔を見るというのが、一番嬉しい瞬間です。
きついと感じるのはどんな時ですか
先ほどとは逆になるのですが、なかなかお仕事が決まらない時は、やはりすごく大変ですし、辛い部分ではありますね。あとは、意外と大変なのは、遠方の仕事があった時でしょうか。例えば離島であったり、沖縄や北海道などですね。交通の便がなかなか悪く、飛行機、電車、バスなどを乗り継いで行かないといけないところは、正直なところ結構大変ではあります。
心に残っている場面はありますか
パチンコやスロットは機械なので、いつ当たるかはやはり予想がつかないことがあるんですよね。だからこそ、予想もしていない時に大当たりになった瞬間は、そこが見せどころでもあるので、一番楽しかったり、喜びや驚きにもなります。また、なかなか当たりに恵まれない時も結構あるので、そこから大逆転をして、みんなに「良かったね」と言ってもらったり、自分のタレントの周りの方がみんな大当たりをして喜んでいる姿というのは、結構思い出に残っていますね。
パチプロとの違いはどこにありますか
実際に、パチンコやスロットのタレントさんには、元パチプロという方も結構いらっしゃいます。ただ、パチプロは一般のお客様側の立場で、自分で解析をしたりデータを集めたりして、何とかして勝とう、勝てるようになっている、勝率がいい方のことを指す、と自分の中では解釈しています。そういった方とは、ちょっと違いますよね。その方はお店からお仕事をもらってきているわけではありません。ご本人にとってはお仕事かもしれませんが、お店に依頼されて来ているわけではないので、そこはちょっと違うのかな、というふうに思います。
この業界で必要なことは何でしょう
これは個人的な話になるのですが、やはり先輩や同業種の方に、わからないことをとにかく聞く。これに尽きると思います。今でもそうなのですが、この業界に入ってくる方は年々いらっしゃいます。その方たちはどこかの事務所や、関係する仕事を通じてこの業界に入ってくるのですが、最初からすべてを分かっているという方は絶対にいません。ですから、わからないことを常に先輩や同業種の方に聞いて、それを自分の知識やスキルにし、今後の活動に活かしていく。これはリアルタイムで必要な部分なんです。情報収集ですね。そういったことが結構大事かなと思います。
業界にはどうやって入るのですか
募集は、媒体や企業さんが実際に行っています。本当にアイドルやタレント事務所のように募集しているんですね。実際に募集に応募して、書類選考や面接を経て、「では決定です」となる方も結構いらっしゃいます。パチンコやスロットのプロダクション的な媒体と言われる会社があるのですが、そこが募集をしています。あとは、そういった関係の代理店様が、アーティストやタレントさんに「良かったら、こういうパチンコやスロットの仕事をやってみませんか」と、Xやインスタグラムのダイレクトメッセージに送ったり、電話連絡をしたりする。そういった形のケースがほとんどです。
報酬についてどう考えていますか
個人によると思うのですが、「まあまあかな」というのが正直なところですね。不満を言ってしまえば、たくさん欲しいというのが本音なので、なんとも言えないのですが。ただ、やはり裏方、サポートする側として仕事をしているので、お金という部分よりも、そのタレントのために頑張った、タレントの笑顔を見るというのが、自分にとっての報酬になっているのかなと思います。何年もやっていますが、気持ち的にもそこの部分は結構大事にしています。もちろん、お金をいっぱい稼ぐためにたくさん仕事をもらうという方もいらっしゃいますが、個人的には、お金はそこそこもらえればいい、あとはタレントさんの笑顔が見たいな、というのが本音のところですね。
5年後はどうなっていると思いますか
正直なところ、どうなっているかな、という感じですね。自分でも、本当に半年後すら見えない世界なので、なんとも言えません。だからこそ、今しっかり頑張ってなんとかしよう、この業界自体を盛り上げよう、という気持ちもあります。未来を変えていける職業だという意味では、前向きに頑張って取り組んでいるところです。自分が抱えているタレントや、提携しているタレントにいっぱいお仕事が来て、いっぱい笑顔になってもらう。そうなるのがいいかなと思います。
今後も続けていきたいですか
できれば続けたいという思いもありますし、逆に、この仕事を何年もしていると、違うこともやってみたいという気持ちも出てきます。ですので、現段階では半々かなという感じですね。やはり、時間に関しても、考えることに関しても、拘束されることが結構多いんです。この何年間でできなかったことも結構あるので、違う自分も見てみたいと思ったりもしますね。
この業界を目指す人へアドバイスを
アドバイスとしては、本当にパチンコ・スロットが好きな方が、一番向いていると思います。仕事というよりは、本当にパチンコ・スロットが好きで、なんとかこの業界を盛り上げたいという方。そういう方は向いていると思いますし、ぜひそういう方にやってほしいなと思っています。
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