飲食・観光
03月21日
板前にモデル、コンパニオン、そして二児の母。仕事が大好きで、休みはほとんどないと笑う。それでも、子どもたちとの時間だけは必ず空けると決めてスケジュールを組む。いくつもの顔を持つ今だからこそ見えてきたことと、海外で寿司屋を持ちたいという次の夢を、穏やかに語る。
Q&A
インタビュー
現在のお仕事を教えてください
はい、今の職業はモデル業、コンパニオン業、あとは板前で、家では二児の母をしております。子どもは11歳と9歳です。
板前のお店での役割は
職場ではホール、キッチン、板場、すべてやるんですけど、ホールのお仕事はお客様が心地いい空間でお食事を召し上がって、満足して帰られることをサポートするお仕事です。キッチンは主に仕込みですね。茶碗蒸しの仕込みだったり、お米をとぐところから始めて、ランチの準備やあら汁を作って、茶碗蒸しを蒸して、あとはフライや揚げ物だったりをするのがキッチンです。板場ではもちろん魚もさばきますし、握りや巻き物、そういったものを作る場所ですね。
働き方や雇用形態について
私、副業を何個かしているので、入った当初からずっと社員になってほしいとは言われているんですけど、他の仕事をやっている以上、アルバイト・パートという形で働かせていただいています。働き方としてはモデルと板前職が半々で、イベント・コンパニオンとかが入ってしまうと、ちょっと板前が少なめになっちゃうんですけど。なので、フリーランスなのでほとんど休みはないですね。
今のお店で働き始めたきっかけは
もともと子どもを産んで、子育てだけというのが私自身の性格上ちょっとできなくて、働きたかったんですね。週一からオッケーというお寿司屋さんだったんですよ。それで行ったら店長さんがすごく良い方で、もうちょっと働いてみようかなと思って、そこで面接を受けて働くことになったんです。その面接の時も子どもを連れて行ったんですよ、ちっちゃい子どもをベビーカーに乗せて。その後保育園に入れて、週2、3回ぐらい入っていたのかな。そこからスタートしました。
調理師免許をお持ちなんですね
免許は2年前なんですけど、勤務していれば勤務実績の条件を満たせるんですよ。なので、あとは実技だけで、実技を猛勉強して、国家試験なので東京大学まで筆記試験を受けに行ったんですね。それをクリアして、2年間その条件をクリアできれば実技はもう免除されるんです。筆記試験は自分で本を買って独学で勉強して、何冊も過去問を解いて。1年に1回しかテストがないので、その日のために勉強して受けに行く感じですね。幸い1回で取れました。
子育てと仕事の両立で大変だったのは
子どもがちっちゃくて、保育園に行ったばっかりだとすぐ具合が悪くなるんですよ。お迎えに来てほしいという電話がすごく多いんです。店長と私だけじゃなくて働いている従業員の方たちもいるので、幸いすごく良い人たちばっかりだったんですね。でも難しかったですね。「熱が出たので帰ってきてください」って、半年はすごかったかもしれないです。2週間に一遍かかってくるみたいな感じで。
仕事で難しいと感じることは
コンパニオンのお仕事は
コンパニオンも今、政府に直接雇っていただいていて、オーストラリアのニューサウスウェールズの、イベントコンパニオンなんです。ニューサウスウェールズ地方の特産品をこっちで紹介して、インポーターさん探しのお手伝いですね。なので、やっぱり接客です。あと、インド大使館の方に声をかけられて、1回インド大使館の中でお寿司を握りました。
板前として一番のやりがいは
自分で剥いたものを自分で握って、お客さんの前に出す。そうなるとおすすめもしやすいんですよ。「今日剥いたんで真鯛おすすめですよ」って言うと入れてくれるんです。そういうのは楽しいですね。やっぱり自分の剥いたものを自分でおすすめして、なおかつそれで「頂戴」って言ってもらえるなら、それ以上に嬉しいことはないですよね。
一番神経を使うのはどんな時か
神経を使うのは、やっぱり魚を剥いている時ですね。等間隔で、例えば12グラムって決まっていると、だいたい誤差は2グラムなんですよ。それが9グラムとかになっちゃうと、お客さんに対してのお約束が12グラムなので、そういうのは省くんです。でも省いちゃうと、それがロスになって金額にならないものになっちゃうので。それでいて、お客さまがいらっしゃった時には元気な声で「いらっしゃいませ」と言いたいので、お客さまが来るのを気遣いながらさばいているのが、今でもやっぱり慣れないですね。
経験を重ねて変わったことは
経験を積むと、やっぱりそれが自分の自信になって、それがさらにやる意欲になって、それがさらに自信に変わって、というのが積み重ねだと思うんです。入ったばかりの頃はわからないから聞かなきゃいけないし、自分に何も自信なんてないじゃないですか。それを培ってきた今があるから、やっぱり圧倒的な違いは仕事に対する自信ですね。今はもう自信を持ってお客様に接しています。
お客様の言葉で宝物になっているのは
お客さんに最後「おいしかったよ」って言っていただくこともそうですし、「あなたがいたから入ってきたよ」というのもありますし。お客様から「ここに来てよかった」という言葉が聞けると、もうそれは嬉しいですね。それはもう何よりの宝物です。
職場の雰囲気はどうですか
みんな優しいんですよ。周りがすごくみんな優しくて、気を使ってくれるので、だから私もやっぱり返してあげたいなと思うし、やってあげたいなと思うし。従業員同士すごく仲がいいので、一緒に働いていて楽しいんですよ。やっぱりどこでも言いますけど、それはお客さんに絶対伝わるので。絶対伝わります。
印象に残っているお客様の反応は
常に印象に残っているのは、お客様の笑顔ですかね。それがもうどんどん更新されますね。「ありがとう」とか「お嬢さんが握ってくれたのが美味しい」とか言ってくれると、やっぱりそれはずっと覚えています。あと、顔を覚えてくれているというのも嬉しいですね。やっぱり「あなたがいたから来たよ」とか、そういうのは嬉しいです。
一番驚いた食材は
クルマエビというメニューがあるんですけど、クルマエビとアワビの踊り食いというのがあるんですよ。頭をちぎって顔を揚げるんですね。体は生きてるまま皮をむくんですよ。あれ、最初できなくて。手の中で怖くて動いてるんですよ。ミミズも触れないのにと思って。でもやっぱり慣れですね。「こんな顔、ちぎっちゃっていいのかな」というところから始まって。そうです、アワビもエビも生きてるものをうちは使っていて、それはびっくりでしたね。
板前の技術が意外な形で役立ったのは
コンパニオンをやった時に、同じオーストラリアのブースで「お肉を捌いてほしい」って言われたんですよ。「板前やってるよね、お肉捌いてほしいんだけど」って言われて、ハラミを切ったんです。「好きに切って」と言われたので、刺身切りになっちゃったんですよ。それで焼いて、お客さんに試食として出したんですけど、お肉を刺身切りしたっていうのは、多分最初で最後だろうなって。すごく印象的ですね。板前の技術がこっちでちょっと役立っちゃったみたいな。面白かったです。
いくつもの仕事をどう両立しているのか
いろんな仕事をしている以上、スケジュール管理が大変なのと、間違えるということができないので、そこはもうはっきりしておくのと。あと、子どもたちも習い事があったりするので、子どもたちとの時間も必ず取るようにしています。例えば「この日は絶対子どもたちの曜日にする」とか決めて、そこはスケジュールを入れないってしないと、仕事がどんどん入ってきてしまうので。空けるとなったら空けないと、やっぱり子どもたちの時間がなくなっちゃうので、そこはちゃんとスケジュール管理をするようにしています。
息抜きの時間はとれてますか
私、仕事が本当に大好きなので、息抜きを見失っていることが多々あります。体調を崩すまで結構やっちゃうので、そこのバランスはあまり取れないかもしれないです。働くだけ働いちゃって、やりすぎちゃいますね。マッサージとかは去年からちょっとハマり始めて、行くようにしています。あとはテニスも私はやっているので、1週間に1回やるようにしていて。お洋服を見るのとかも好きなのでやりたいんですけど、結局お仕事をしたいが勝っちゃうので、そっちをどうしても入れちゃうんですよ。
スキルアップの原動力は
自分に自信が持てるように、誰かと比べるとか、上の目を気にするとか、そういうことではなくて、自分に自信をつけるために、「これができたらいいな」「あれができたらもっと素敵だな」というので、自分の中でスキルアップはします。「もっとこうしたらお客様が喜ぶんじゃないか」と、日々考えながらという感じです。
満足度を上げるために意識していることは
満足度を上げるためには、「この店だったらどうしたらいいか」「ここのお客様だったらどうされるのが嬉しいか」っていうのは、やっぱりずっと常に考えています。あと、左利きか右利きかでお寿司の向きって変えるんですよ。右利きだと右から取りやすいように、右下に下がるように並べるんですけど、左利きだとそれが逆なんです。そうやって観察して、より良い空間で楽しんでほしいというのは、やっぱり常にありますよね。
これから挑戦したい技術や夢は
今の仕事でフグは扱ってないので、フグの免許も取りたいなと思ったんですけど、フグはやっぱりフグ料理店で改めて実績を積まなきゃいけなくなっちゃうんですよ。そこはちょっと今は考えていなくて。今は海外でお寿司屋さんをやってみたいというのがあって、ゆかりのあるオーストラリアでちょっとお店を持てたら嬉しいなって思っています。今は子どもたちもいて、私一人でパッと行けないので、そこがネックですね。私一人だったらすぐ行ってるんですよ。やっぱりそこを見つつ、行けたらいいなと思っています。例えば上の子が中学に上がる時、下の子が中学に上がる時、という節目でちょっと行けたらいいなと今考えています。
食の仕事を目指す人へ
やっぱり人が好き、食が好きというのがあれば、お客様に満足していただこうという気持ちになるのかなと思います。食が好きで、人が好き。やっぱり人が好きじゃないと、接客業というのは難しいと思うんですね。その気持ちがあれば、私はなれると思います。あとは感謝の気持ちを常に忘れずにいれば、絶対にできます。
INDUSTRY
同じ業種のインタビュー
RELATED
関連インタビュー
モデル・司会
03月07日
コロナ禍に宅録から、14キロ痩せてモデルへ
モデル・俳優
03月13日
データ入力の傍ら、フリーで芸能を続ける今
モデル
03月07日
モデルと経理、二つの顔で広げる表現のフィールド
モデル
02月27日
ストリートスナップが原点、活動の幅を広げたモデルの歩み
ライバー
02月14日
歌手を諦めた先で見つけた、自分らしく表現できる居場所
単発派遣
01月29日
人間関係に疲れて選んだ「場所も時間もとらわれない」働き方
マルチクリエーター
01月31日
自分の中身が好きになれなかった、そこから始まった働き方
リラクゼーションセラピスト
03月13日
苦手な人との時間も、今は楽しいと思える
動画モデル
02月01日
専業はまだ珍しい、フリーランス動画モデルの現在地
マルチワーカー
01月24日
「長時間は苦手」だから選んだトリプルワーク
システムエンジニア
02月06日
模型屋のマイコンから始まった、独学のIT人生
SEOライター&講師
02月15日
営業職から複業フリーランスへ「好きだから続く」と気づいた転機

