美容・健康
03月13日
昔なら心の扉を閉めていた苦手なお客様も、今は「自分と違うから学べる」と思える。個人事業主になり、好きな時間に好きな人と働くうちに、この仕事を「仕事」とは感じなくなった。20年やってなお、これからも続けると言い切れる場所に立っている。
Q&A
インタビュー
今のお仕事について聞かせてください
セラピストになります。セラピストといっても、リラクゼーションセラピストなので、きっと皆さんはリラクゼーションっていうと、どんなことするの?って思うんですけど、たくさんいろいろありまして、その中でも私は全身できます。フェイシャルもできますし、頭、ヘッドスパもできます。あと、全身のもみほぐし、オイルトリートメント、足つぼっていう形で、いろいろお客様の施術をするっていうことが仕事になっております。
マッサージとはどう違うのでしょうか
きっと皆さんの中で、もみほぐしって言っても、え、マッサージでしょう、っていう部分があると思うんですけど、私の職業はリラクゼーションセラピストなので、マッサージ師さんとはまた全然部類が違うというか。その違いっていうのが、セラピストは国家試験を持ってない。で、リラクゼーションセラピスト、ボディケアもみほぐしは、同じようなことをするんですけども、一応もみほぐしって言って、マッサージとは使わずに、全身を私の両手で圧をかけてほぐしていく、っていうのがボディケアもみほぐしになります。
どんな働き方をされていますか
働き方は、個人事業主なので、フリーランスなんですよ。なので自分で好きな時間に、好きな場所で、好きな方に囲まれて、という働き方をしてるので、個人で店舗を持っているわけではなくて、私の場合はレンタルスペースをお借りしたり、あとは出張させていただいたり、あとお友達の美容室の一角をお借りして施術させていただいたり、っていう形で働いております。
独立を決めたきっかけは何でしたか
自分で独立する気は全然なかったんですけど、コロナになった時にちょっと考え方が変わった、っていうのが、今の個人でやるきっかけになりましたね。コロナの時に、やっぱり人に接するのはダメって言われた時期だったじゃないですか。この仕事って、接しないとできないので。私その時サロンで働いてたので、営業停止だったんですね。なのでその時、これもし個人でやってれば個人の責任だから、私は大丈夫と思ってたので。また同じことがあった時に営業停止になる、だったら自分で開業というか、個人でやろうって決めました。
もともとは別のお仕事だったそうですね
それまでは全く違うお仕事をしてたんですね。飲食業をしてて、全くマッサージとかは受けたことがなくて。ただ子供の頃から、母がすごいカタコリで、私もカタコリだったんです。なので母と肩のもみ合いっこをしてたっていうのが残ってたのか、このまま飲食業をやってていいのかなって思った時に、何か手に職をつけよう、何かこの手でできること、ってなったんですね。その時考えたのがリラクゼーションセラピストとかマッサージ師だったんですけども、マッサージ師は学校に通って学ばなければいけない、っていうことがあったので、私ちょっともう、その年に学ぶのって自分では無理だなって思ったので、働きながら身につけられて、お金もいただけて、っていう部分で、リラクゼーションセラピストっていうものを選んで学び始めて、今の私につながっています。
始めた頃は大変でしたか
もう本当に大変でした。お客さまと1対1っていう部分と、満足させなきゃいけないって、自分でやっぱり思い込んでた部分があったし、やっぱり親指で硬いところを押すんですよ。そうすると指が痛くなって。その前に、もう研修の時から親指が痛くて、すぐやめたかったんですけど、なぜか負けず嫌いっていうのがあったせいか、それを耐えながらやってて。親指の痛さが、今思い返すと一番辛かったですね。泣きながらですね。そこで耐えられなかった子はやめていきました。3か月くらい経つと、やっと指が慣れてくる。ずっと痛いっていうのがなくなるのは、3か月とかでした。もう大変でした。休みの日はずっとシップ貼ってました。ケガはやっぱり腱鞘炎ですね。
不思議な体験をされたとか
見えないんですけど、触って施術してると、感じちゃうというか、受けとっちゃうっていう。あるお客様を施術してた時、その方は全く普通の方で、疲れたからご予約して来てくださったんですけど、施術を始めたら、私、触っていて急に頭が痛くなったんですよ。あれ?って。最初の頃はなぜそれが起きるのかもわからなくて、触っていて頭は痛いし、急にこの辺が痒くなって、喉がイガラっぽくなるんですね。そういうお客様の施術をしたことがありますね。その時はわからなかったんですけど、後々、霊感とかある方に、それってそのお客様がすごく疲れていて、その疲れを私が吸い取るみたいな、この体と手から吸い込んで出たんだよ、っていう話を聞いたんですね。
新人とプロの違いはどこに出ますか
施術に対してだと、新人さん、まだ始めたばかりは全部がちょっと機械的な動きっていう部分ですかね。でもまれに、まだ1年目、ほんと入って2、3ヶ月だけど、すごくプロっぽいというか、慣れた手つきの方もいるんですね。でもほとんどの人は、触るところからやっぱり違うんですよ、プロと入ったばかりの人で。そこの違いは一番大きいと思います。
辛い時期はどう乗り越えましたか
どんなに辛いことがあった時も、仕事は一切休まなかったんですね。辛い時に施術すると、1人の時間になるんですよ。そうすると、その辛いことが頭に浮かんできてしまうんです。でも、施術を続けて、終わってお客様とお話をすると、そういう時に限ってなのか、そういう時だからこそなのか、そのお客様がすごく喜んでくれるんですよ。その施術に対して、ありがとう、すごく楽になった、そういう言葉を、本当にその辛かった時期にいただくことが多かったので、それがすごく、やっててよかったなって思えることですね。
体力的にきつかった時もありますか
お仕事している時は、休憩っていうくくりの休みがない。ほぼ8時間、9時間労働みたいな。その間で休憩5分みたいな。お客さまを一人施術して、次のお客さまが来る間にご飯も食べるみたいな。その休憩がないっていう時代が結構長い。セラピストあるあるっていう、座れないっていう部分が辛かったですね。
忘れられないお客様はいますか
長野に出張に行ってた時のお客様なんですけど、ちょうど私の母と同じくらいの年代の方がふらっといらっしゃって、ちょっと短い時間だけ、肩が疲れてるからやって欲しいって言われて施術をしたんですけど。今まで、その70年生きてきて、マッサージやもみほぐしとかを受けたことがないっておっしゃってたんですよ。じゃあちょっと加減をしながらやらせていただきますって施術をして、施術しながら、その方はちょっとお話ししたそうな方だったので、短い時間ですけどお話をさせていただいて。で、年齢とかを聞いたら、あ、ちょうど母と一緒ですって話をして。でも私の母はもう亡くなっているので、そういうお話をしたら、その方がすごくなんか、愛着というか、同じぐらいの娘さんもいるので、すごいお話が盛り上がったんですね。同じ年代の私と、同年代の娘さんがすごい悩み事があって、母としてすごい心配なんですっていうお話をされてたので、娘としての意見を言わせていただいたら、なんかすごいそれがその方に刺さったというか、受け入れていただいて。たった20分だったんですけど、終わった瞬間に、すごくなんか、涙を流すぐらい感動してくださって。まあ施術なのか話なのか、どちらに感動していただいたかはわからないんですけど、終わって娘さんが迎えに来た時に、あの方ほんとすごいのよって言ってくださって、また近寄って来てくれて握手を求められて。娘さんにも、あなたも握手しないって言って握手を求められて。その娘さんのご主人にも、また同じ対応で、すごく興奮して喜んでくださった。もうほんとに、この仕事やってて良かったなって思ったのは、一番それが思い出として残っております。
技術はどう磨いてきましたか
仕事を始めたばかりは、10年ぐらい、やっぱり自分の施術に満足できてなかった部分があったので、他の店舗、同じ業界のお店に施術を受けに行って、リラックスするためじゃなくて、技術を盗むために行ってたっていうのは、一番多かったかもしれないです。リラックスできなくて、何これやってるんだろうって思っちゃうタイプなんです。でも、それは別に、自分的にはそれでもいいかなって思って。それが一番多かったですね。
報酬と仕事内容の納得感は
私、お金の価値観が違うってよく言われることが多くて、周りから。やっぱりその値段設定がおかしい、もうちょっと取っていいんじゃないって言われることが多いんですけど、私そこをあまり気にしてなくて。一人一人と向き合って、自分が満足できれば、で、お客様は無理をせずにその金額を払えるんだったら、自分が生活できるんだったらいいかなって思って仕事をしてるので。満足と言えば満足の金額をいただいてるなって思ってます。安いねって言われることがありますね。
仕事とプライベートについて
個人事業主になってから、このセラピストの仕事が、私の中では仕事っていうカテゴリーに入ってないんですよね。仕事も楽しんでできてるので。プライベートではないですけど、疲れるっていう感覚がない。体は疲れるんですけど、はっきり仕事、プライベートっていう感覚がない、っていうのが今ですね。
苦手なお客様はいませんでしたか
一人、すごい苦手なタイプの方はいたんですけど、その方も昔だったら、もう嫌いって言って、私、扉閉めちゃうタイプだったんですけど、今は自分と全く違うので、その方と接することで学べるんだって思うようになれたんですね。それを結構周りの人にも言うんですけど、そう考えると、その方との時間もすごい貴重になって、楽しくなっちゃう。
この仕事を続けていきたいですか
私、セラピストとして20年はやってますけど、こんなに一つのことを続けられたのは初めてなんですね。なので、絶対にこの仕事は、時間が少なくなったとしても続けてると思う。その中で、興味があることが結構多くなってきて、その仕事もしながら、セラピストも続けてると思います。
これから目指す人へ伝えたいことは
リラクゼーションセラピストって、外から見ると、なんかきれいな仕事だよねって、制服着て人に触ったりしていいよねって、楽そうだねって結構言われるし、思われがちなんですけど、やってみるとすごく、体力もそうですけど、精神的にも疲れる部分は最初は多いですね。でも、やっぱり技術を身につけて、お客様に施術をした、その後のお客様の感謝の気持ちだったり、自分の満足感っていうのは、やってみないとわからない。あと、老若男女の方を施術できるので、その方との接点っていうのが、なかなか、幅広い方とできる種類の職業ってないと思うので、そういう感覚も受けたいと思うのであれば、ぜひやってみてほしいですね。同じセラピストの方は、本当に自分の身体を一番やっぱり守らなきゃいけないので、無理をせずやってほしいなっていうのはあります。
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