営業職を経てライターへ、さらに講師へ。多くの受講生を見てきて辿り着いたのは「嫌だから始めた人は続かない」という実感だった。ネガティブな動機ではなく、好きでワクワクできるか。営業も介護も、すべて今の働き方に重ねている。
Q&A インタビュー
現在のご職業を教えてください
私はSEOライターで、スクールの講師で、モデルで、最近は作詞も始めた、複数の「複」って書くほうの複業フリーランスです。
SEOライターとはどういうものですか
集客を目的とした記事になっておりまして、Googleで1位を目指すことによってたくさんのお客さんを集めて、ホームページのほうに流していくといった記事になります。ライターというお仕事は、文系というイメージをみなさん持たれているかもしれないんですけれども、非常に論理が大切で、本質としてはSEO記事というのは説明文なので、実際は理系の方のほうが向く職業である、というイメージを持っていただくのがよろしいかなと思います。それと、SEOライターの知識だとか勉強だとかは、いわゆるGoogleのアルゴリズムといたちごっこの状態になっているので、SEOライターというのは常に最新のSEO知識を持って、そしてリライトをずっと続けていかないといけない職業になります。
講師業についても教えてください
スクール講師は、まずSEOのベースとしてその技術を持っているわけなので、SEOライティングコースというコースを立ち上げて、まずそこの講師をやっています。それとあと、ライターさんというのはフリーランスで、もしくは副業でやられる方が多いので、クライアントさんとのやり取りの中で、自分でその案件を獲得してこないといけないという性質のものですので。なので、私はこれまで、2019年3月までは営業職だったので、その経験を活かして、営業についてもお伝えをしています。
モデルのお仕事を始めた動機は
動画の撮影であったり、あとは写真の撮影であったり、さまざまな現場があるんですけれども、どうしてこのSEOライター・スクール講師・モデルという、一見違うように見える職業を選んでいるのか。それがここに帰結してくるんですけれども、私の中では「社会の役に立つコンテンツ制作」という意味で、すごく一貫性を持ってやっているつもりなんですね。なので、モデルもどうしてやろうと思ったかというと、ライターとして記事を書いていく中で、例えばネガティブなキーワード、眠いとか、辛いとか、お腹が痛いとかというキーワードは、実はすごく、フリー素材でも見つけにくいジャンルになってくるんですね。なので、こういう素材も本当はあったほうが、記事の中に挿入すれば伝わりやすいですよね。なので、そういったネガティブワードにも対応できるような画像のモデルだとか、動画のモデルだとか、あと私の年齢的なこともあって、更年期障害で悩む女性の役なんていうのも、結構やらせていただいています。
一番頭を使う仕事は何ですか
一番頭を使うのは、一見SEO記事の作成のように見えるかもしれないんですけど、スクール講師でして。1時間の面談の間に、やっぱりさまざまな課題を抱えた受講生さんがやってくるので。例えば、私の中で結構高度な判断だなと思っているのが、私は元介護士なので、それが可能という面もありますけれども、本来スクールで解決できるような課題ではない課題を、底のほうに持ってらっしゃる生徒さん。そういう方は、ちゃんと医療につながったほうがいいだとか、カウンセリングを受けたほうがいいだとか、それを本人に納得感のある形でお伝えするとか、そういう細かな判断ですね。一言で言ってしまうと感情労働なので、やはり相手の感情に寄り添った形で、自分の感情をコントロールしながら、というのが非常に頭を使います。あとはやっぱり、受講生の中に「副業やりたい」「独立したい」と最初は言っていたとしても、本来それにあまり向いてはいない。なぜならば、インプットはできるけれどもアウトプットはできない、やりたがらない、そして課題も出さないという生徒さんも当然いらっしゃるわけですね。私は自主性を重んじるタイプなので、出さなかったからといって責めることもなければ、「そうなのね」で終わるわけなんですね。ただ、実行した結果からしか物事って生まれてこないので。それが別に、あなたが幸せだとか幸せじゃないとかということを左右することはないけれども、ただ、全て自己責任だよということは、ちゃんとお伝えするようにしているんですね。自分の人生を、やっぱりまだ他人のせいだというふうに思っていらっしゃる生徒さんもいらっしゃるので、そのことをこと細かに分けて、分かりやすく納得していただくというのは、すごく自分の中でも大きな課題だったような気がしますね。
印象に残る生徒さんはいますか
私の勝手な予測ですけれども、この子は3年間で私のことなんか追い越して、ものすごい事業を立ち上げるだろうなと予測している人が、一人います。その生徒さんとの出会いを与えていただいたというのは——こういう機会というのは、スクールの先生だけではなくて、すべての「先生」と名がつく職業の方に、一生に一回あるようなことなんだろうか、というふうに私は思っているんですね。そのぐらい幸せなことだと。私はすべての生徒さんに、講師というのは踏み台だ、というふうに伝えているんですね。これはなぜかというと、私の作ったものの中で能力が終わってしまうようでは、世の中が発展していかないんですね。私が教えたことをもっと発展させて、もっとすごいものを作っていかないと、私がいなくなった後にじゃあどうなるんだ、という話だったりするので。なので、私がちゃんと踏み台になれるであろうと予想した生徒さんに巡り会えたというのが、本当に感謝しかないですね。
一番つらいことはなんですか
ストレスというよりは、やはり感情労働ですね。究極まで自分の感情をコントロールする必要があって、私がお伝えしたことを、この人は聞いたそばからゴミ箱に捨てているんだな、というのが分かってしまう瞬間があるんですね。決して安い金額ではない学費を払って、私が伝えたことをゴミ箱に全て捨てて、その受講生さんの目的は何なんだろうと考えると、「先生」と名のつく生き物を自分のそばに置いておいて、インプットをしているという形を作りたいだけ、という場合が存在するんですね。そういう受講生と巡り合ってしまった時には、私もやはり人間ですので、非常に心を痛めますし、それでも私は、自分の矜持というものがあるので、教えられることって、やっぱりスカスカになるまで教えようと思うタイプなんです。だから、やっぱりすごく、そこは折り合いをつけるのが難しいような気がしますね。
感情労働とはどういうものですか
看護師さんですとか保育士さん、また介護士さんなんかがよくやられる労働で、究極的に感情のコントロールを必要とされる職業、というふうに考えていただけるとよろしいかと思うんですが。例えば看護師さんというのは、患者さんから暴力を振るわれるといったこともあるかと思います。ただ、その時にもしその看護師さんが同じく暴力で返したとしたらどうでしょう、という話なんです。それは感情に自分が振り回されているという形になりますから。看護師の皆さんは、そこで自分の感情、叩かれて痛い、辛い、苦しいという思いをコントロールして、優しく接してくださっているということになるんですが、これはやっぱり人間にとって、ものすごく負荷の大きな労働であるな、というふうに私は思っていて。それが講師という、その場でもやっぱり必要とされる。私の話していることを、話すそばからゴミ箱に捨てる生徒であっても、そしてそれに気づいてしまったとしても、そこで私が怒りを噴出させたとしたらどうなるだろう、というのを考えるので、やらないです。
今力を入れていることは何ですか
実は、ライターって一応言ってるんですけど、業務的にはほぼディレクターの内容を巻き取っている、ちょっと変わったライターなんですよね。なので、どんどんSEOディレクターやコンサルみたいな感じで、今ちょっと仕事を増やしているところ、というのがライターのジャンルではそうなのと。あと、スクール講師に関しては、私が先ほどお伝えしたように感情労働で、非常に負荷が大きい。私の父は高校の教員だったので、やっぱり一度も休むことなくずっとまっとうしましたけれども、やはり私とは性格の違いがあるというのは、すごく思っていて。私はすごく生徒さんのことを細かく見ていくタイプなので、多分、続けると自分のメンタルが潰れちゃうんですね。なので、これからの計画では、1年やったら、例えばある程度の期間インターバルを設けるという形で、今後は続けていこうと思っています。
モデル活動を通じて感じたことは
あとはモデルに関しては、モデルをやってはいたものの、普通の副業のほうの、副業的な位置づけ、私の中では最初そうだったんですけれども、意外と、しっかりやってみたらめちゃめちゃ楽しい。これは私にとって、すごくワクワクする気持ちだとか、仕事が楽しいという気持ちを与えてくれる副業だな、というふうに改めて思い直したので、今後もまた、動画だとか画像の撮影だとか、どんどんできることを増やしていて、また新たなジャンルにも、もっともっとスキルアップしていければな、と思っています。
お金の使い方で意識していることはありますか
私は派遣で営業職をやっていましたけど、その時の会社の教えで、「話の種で食べなさい、話の種でお金を払いなさい」というようなことがあったんですね。要は、お客様のところに行って何かを食べた時に、美味しいとかまずいとかって関係なくて、「体験をした」という価値にお金を払いなさい、という意味なんですけど。営業マンたるもの、常に新しい新鮮な話題を取材して持っている必要がある、というのがその教えでして。なので私も、お金を払うということは体験を買っているということだから、自分の口に合おうが合うまいが、それは体験したということで、お客様に全部喋ればいいだけの話なので。なので、そういうお金の使い方ってすごい大事だな、と思っています。
物事を楽しむ秘訣は何ですか
やっぱり、徹底的にやらない人というのは、ごめんなさい、本当に物事を楽しむということには至らないと私は思っていて。例えば、私がお洋服に興味を持った時に、デパートをウロウロしていたという話をしたと思うんですけども、その目的って何かというと、自分にはファッションの知識がないから、お洋服を選ぶ物差しがない、という状態だったんです。その物差しを作るためにはどうすればいいか。私の中で考えたのは、ありとあらゆるファッションについて、ひとまず自分の好みとかは入れずに、見てみないとわからない。その上で、全部見た上で好きかどうかを判断しないと、公平な判断にならないですよね、ということをやったんです。でも多分、普通の人にとっては、そこまで熱量が多分ないからやらないですよね。でも私はそれをやったからこそ、ファッションがすごく楽しいんです。だから、徹底的にやらない人には得られない楽しさというのを、徹底的にアウトプットする人、やる人は持てる、ということです。
あなたにとって仕事とは何ですか
世界中の人たちの仕事の中の一部、本当に一部を分担させていただいている、というイメージがすごく強いですね。みんなの社会的な協力によって、この世の中が成り立っていて、このメンバーで一日過ごせるのも、多分、何分なのかな、1分に何人、人が亡くなったり生まれたりしているのか分からないですけど、そういう循環の中の一つ、という考え方です。
独立を考えている人へアドバイスをお願いします
これは私の勝手な経験則かもしれませんが、たくさんの受講生さんとお会いしてきて——フリーランスとして独立するからには、皆さん成功したいと思って取り組まれると思いますけれども、これは本当に私の体感の話なので、統計的な話でも何でもないですが、今の環境が嫌だから、というネガティブな理由で始めた人って、ごめんなさい、成功しない。やっぱり、この職業が好きで、どうしてもやりたい、という人が成功するな、という。法則ではないけれども、私が接してきたフリーランスの方の中では、そうだった気がするので。やはり、人生の重要な職業を選ぶということも、非常に重要な決断であるかと思いますけれども、そういう何かネガティブな、人間関係がうまくいかないからだとか、これが嫌、あれが嫌、という動機で物事をやるのではなくて、本当に自分が好き、楽しい、ワクワクするから物事をやってほしい、というふうにすごく思いますね。