エンタメ
07月18日
目指したテレビ局や映画会社は、ことごとく不採用。行き詰まった末に送った放送作家の募集で、初めてリサーチャーという存在を知る。ほぼすべての番組を裏で支えるこの仕事に、いつしか自分の適性を見出していった。
Q&A
インタビュー
現在のお仕事について教えてください
現在の職業としては、メインはテレビやYouTube、ネット番組などのリサーチャーという仕事をやっています。あとは、僕は多少英語ができるので、英語と日本語の翻訳事業をやっていたり。今はそこまでやっているわけじゃないんですけれども、ナレーション台本を書いたり、構成作家的な仕事、例えばYouTubeのナレーション台本であるとか、そういったようなことをやっていた時期もあったり、記事執筆をやっていたりする時期もあったり。あとは、英語の力を活かして、最近はちょこちょこ、外国人とのコミュニケーションで、例えばガイドの仕事であったり、展示会の手伝いであったり、というようなことをちょこちょこ、フリーランスでずっとやらせていただいているというような感じですね。
現在の働き方になった経緯は
興味本位であるとか、あとは生活の問題で、なりゆきだったりであるとか。これをやっていかないとお金がちょっと困るから、というのがあって、こうやってやっていったら、いつの間にかこういうような形になっていった、という感じの方が近いかもしれないですよね。
リサーチャーとはどんな仕事ですか
テレビ番組って、どのテレビ番組、ドラマであれ、バラエティーであれ、情報番組であれ、ニュースとかでもあれ、ほぼすべてにリサーチャーっていう存在がいるんですね。例えばバラエティー番組で例えるとちょっとわかりやすいんですけれども、よく街ぶらとかしてるロケ番組とかあると思うんですけれども、そこで例えば芸能人がラーメン屋であるとか、グルメのお店であるとかに入るシーンがあると思うんですよ。それって例えば、事前にもちろん取材許可を取ってるんですけれども、誰々さんのよく行くラーメン屋とか、よく行く洋食のお店とかっていうのは、基本的に、例えばこの街のおすすめのグルメとか、そういったものは基本的にリサーチャーが、例えばプロデューサーとかディレクターが「この街で」とか「おすすめのラーメン屋とか」みたいなものを発注してくるんですね。そこで調べていくつか出して、その中で取材許可を取れたものに行くっていう流れになったりするんですよ。これ例えば、テレビ番組とかに専門家の方が出てきたりする時もあると思うんです、なんかコメントを話すみたいな、ニュース番組とか、そういった時のコメンテーターを探すとかっていう仕事も来たりであるとか。そういったものをネットであるとか、時々書籍を読んだりだとか、図書館に行って調べたりであるとかっていうのをまとめて、ディレクターやプロデューサーに送るっていうような、大元のことをやってるんです。その情報から、例えばディレクターさんであるとか、作家さんであるとかが、台本を考えたりだとか、企画を詰めたりだとかっていうような形になってくるんですね。そういうようなことをリサーチャーっていうことで、それがほぼ全ての番組に実は存在しているっていうような形なんです。
リサーチャーになった経緯を聞かせてください
大学院時代に就職先がなくて、テレビ局とか映画会社とか、結構名の知れた映像製作会社とかを目指してたんですけども、ちょっとことごとく落ちてしまって、どうしようかなって思っていたときに、ネットでたまたま、ちょっと興味があったってのもあったんですけど、放送作家っていうのを募集している事務所があったんですね。そこに履歴書を、大学院の2年生ぐらいの夏ぐらいに送らせていただいたら、面接に来てって言われて、そこで面接を受けたら合格したんですよ。そこで初めて、リサーチャーっていう存在を知ったんです。その放送作家の下積みとしてリサーチャーって存在するんです。そのリサーチャーでいろんな情報を出すことによって、感度をつかんでいく、「この番組にはこれが求められる」「こういうセンスが求められていく」っていうのをリサーチャー時代にみんな経験して、それで企画書とかを出していって放送作家になるっていうパターンが多いんですけども。作家の修行っていうものは、その一方で、今リサーチの会社っていうものが、専門的にそれをやる人っていうのが存在するんですね。僕そこで、事務所に入って、そのリサーチャーっていう存在を知って、僕も最初は放送作家みたいなのを目指してたんですけれども、リサーチャーの方が向いてるのかなっていう部分が出てきて、今そんなに別にこだわってるわけじゃないんですけれども、リサーチャーメインでやってて、時々作家っぽい仕事が来たらそっちもやってったような形で、ハイブリッドという形でやってます。
この仕事で難しいのはどんな点でしょう
ドキュメンタリーや再現ドラマの番組で言ったら、何がプロデューサーであるとかディレクターに刺さるのかっていう部分を考えるのが、すごい大変だったりしますよね。やっぱりそのディレクターもプロデューサーも、人によって好みが違うんで、何が好きっていうのは異なるんですけども、だいたいその番組の中でベースとするもの、これが大事です。その再現ドラマの番組だったら、世界のどれだけ驚けるかっていうような部分が大事だったりするので、そこの驚きってものに自分がどれだけフォーカスできるか、どれだけそのプロデューサーさん、ディレクターさんの好みにあったものを出せるか。その好みってのも結構、視聴率に左右されたりであるとか、世間の流れであるとか、今番組でこういうのが受けてるってことに左右されたりするんで、そこらへんに刺さるものを出すっていうのが大変ですよね。でプロデューサーやディレクターに刺さったからいいわけじゃないんですよ。彼らの考え方が、視聴者が求めているものとあってないことがあるんで、どちらかというと視聴者を見ないといけない、私たちのやることは。視聴者を最終的に見ないといけないんですけど、その視聴者に届けるために、まず関門としてディレクターとプロデューサーがいるんで、そこを突破しないといけない。だから例えば、自分の中では視聴者にはこっちの方が受けますよと思ってるんだけども、それだとプロデューサーとディレクターを通過しないから、まずこのプロデューサーとディレクターに合わせてみる、というところがあったりして。でやってみて、「あ、正直ちょっとこれだめだったね」っていうようなところが、自分の中で「ほら見たことか」と思うときも正直あるんですけど、そういうときは自分のネタが、自分の思ってることが採用されやすかったりするんで。っていうような部分のさじ加減であるとか、どこに向けて何を刺すのかっていうことが、すごい大変だったりします。
やっていてよかったと思う瞬間は
自分の出したネタである、出した企画とかが放送された時っていうのは、やっぱりその、誰も気づかない、正直誰も気づかないし、僕が裏でそういったネタを提案してはめてるってことは誰も気づかないんですけど、それが全国ネットのテレビでオンエアーされていて、芸能人の方がそれを見てリアクションしてたりであるとか、自分の考えた、自分の出した企画をもとに作られた再現ドラマとかが放送された時っていうのはすごく、心の中でガッツポーズ決めたりとか。そういう時は結構ネットとか、SNSとかもチェックして、反応が良かったりするとすごい嬉しいし。やっぱり視聴率っていうのが出るものなので、10%とかと単純にいくと、日本人の十分の一が見てるっていう計算にはなるので、自分の出した企画とかがそれだけ多くの人に見られているんだっていう部分っていうことは結構、自分で自分のことを誇ったりとかって気持ちよくなる。それが一番アドレナリンというか、ドーパミンというか、僕の中で出る瞬間だったりしますよね。誰も気づかないんですけど。
仕事の面白さはどこにありますか
いろんな物事に詳しくなれるっていう部分があったりしますね。例えば、いろんな番組が来るんですけど、グルメだったりであるとか、投資とかだったりとか、怖い話だったりとか、いろんな情報が来たりするんですけども、そういったものに、いっちょかみではあるけれども詳しくなれるんで、おのずとなんか世界情勢を知れたりであるとか、今国内でこんなのが流行っているとか、ここにちょっといろんな問題があるとか、そういったものに詳しくなれるっていうのがおもしろさだったりはしますよね。
プレッシャーを感じるのはどんなときか
自分の出したネタであるとか企画とかがハマらない時期が長く続いた時は、結構プレッシャー感じますよね。やっぱりフリーランスなんで、フリーランスっていわばいつでも切れる存在だと思うんですよ。成果が出なかったら切られるっていう存在だったりするんで。僕も今はこう16年くらいフリーランスやってるんですけど、何度も経験してるんですよね、そういうこと。なかなかオンエアーにつながるようなネタを出してなくて、結構もう「いいや」って切られる時があったんで。1か月くらい自分のネタがオンエアーされていないなと思うと、フリーランスとしては契約大丈夫かなと思ったりしちゃうから、そこがプレッシャーを感じたりする時はありますよね。成果を出していかないといる意味がないので、自分としても成果を出していないのにずっとやっているのはしのびないなと思うから。向こうはクライアントとしては気にしていないかもしれないんですけど、実際何度か切られるというのを経験してるから、あまり続けて出ていないと、プレッシャーを感じる時は、自分の中で勝手にプレッシャーを感じる時はあります。
仕事と私生活はどう分けていますか
あんまり切り分けてないかもしれないですよね、正直言うと。ワークアズライフとか、そういうつもりは全然ないんですけれども、基本的には、僕は昼ぐらいに起きて、で、ご飯食べて仕事を家で始めて、家なり図書館なりで始めて、空き時間で雑務をこなしたり、家事とかをこなして、でまた朝方までやって、また寝るみたいな、そういう生活をしてるんですけど。それを週7日ずっとやってるんで。例えば、どこか行く用事ができたとかある時は、例えば美容系のクリニックに行きたいとか、服を買いに行きたいとか、そうやってあった時は、まあ「今日は土曜日なんで、土曜日はこの時間はちょっと外に出て、帰ってきたらやろうか」みたいな形で。あんまりそうやって形で、基本的には空き時間をどうにか作ってやってるって感じで、そこまで分けてないですね。分けるのが僕、得意じゃない。土日休みとか決められると、僕はちょっと無理なんですね。
いつまで働き続けたいですか
仕事をしてない姿が想像できない部分だったりがあるんで、なんていうか、できるなら死ぬまで現役でいたいなっていう部分はあったりするんで。みんな結構、歳取ったら引退したらみたいなことを考えると思うんですけど、僕は引退する必要がないし、そもそも引退しなくていい仕事なんで、できる限りずっと、何かしらできることがあるんだったら、別にリサーチャーじゃなかったとしても、翻訳じゃなかったとしても、何かしら続けていきたいなっていうふうに思うし。そういった方が生き生きとして僕は生きられるんじゃないかなと思うから、そういった部分では、死ぬまでそうやっていくかもしれないですね。
これからの人生をどのように考えていますか
変わらずやっている可能性もありつつ、全く別の、ただめちゃめちゃ、勉強するなら勉強する、働くなら働くのということをちゃんとやっていると思います。そこはあんまり僕の中でも、いい意味で決めてない感じですよね。僕は逆算とかしないんですよ。人生をかなえる上で、みんな目標から、叶えた姿から逆算していくっていう、結構皆さんおっしゃってると思うんですけど、僕も考えてみたことあるんですけど、それ自分には向いてないし。自分の今思う範囲の逆算って、果たして通用するのかというか、もっと視野を拡げたときに別のやり方ってあると思うんです。別のたどり着き方があると思うし、だから僕は逆算とかせずに、悪く言えば行き当たりばったり、よく言えば柔軟に、「これやってみよう」。今までも全然、人生もそうで、放送作家になろうと思った時も、「あ、仕事先ないからどうしよう、じゃあ送ってみよう」、成れたとか。でそこでリサーチャーの仕事を振られて、今リサーチャーとしてやってるとか、仕事がなくなってきたから英語を勉強してみよう、今翻訳につながったとか、翻訳につながったらガイドの仕事が来たぞみたいな。こういうふうな形で、どんどんどんどん辿り着く先で何か変化が起きるっていうほうが僕は好きだったりするから。今結構、5年後こうなりたいとか10年後こうなりたいってイメージを持ったとしても、もうなんかそうならないんで。5年前の自分が今こんなことをするって思ってなかったし、だから今、逆に変化を楽しみながら生きたいなと思ってます。
フリーランスを目指す人へ伝えたいことは
フリーランスになりたい動機って、やっぱり自由に働きたいとか、めちゃくちゃ稼ぎたいであるとか、やりがいが欲しいであるとか、なんか自己承認欲求であるとか、稼ぎたいであるとか、自由にかっこよく生きたいみたいなところがあると思うんですけど、結構それって甘い考えかなって僕は思います。自由はないし、僕はすごい週7日働いているし、自由があるといったらないし、収入もこうなったりするんで。めちゃめちゃ稼げるものって、業種にもよると思うんですけども、そんなに多いかって言うと少ないと思うんで。だからこそ、たんたんと、こう、自分が破滅しない程度に働いて、でも一生懸命働かなきゃいけないし、一発逆転みたいなことは絶対狙わないほうがいいなっていうふうに思います。てやっぱり、一個一個小さいことをやっていって、実績を作っていって、人との信頼を得ていって。本当になんか、いきなり100万とか目指すんじゃなくて、細く長く続けていくと徐々に上手くいくっていうのがフリーランスなんで。見てくれの派手さであるとか、稼げるとかあるとか、そういったものに憧れると足をすくわれてしまうから、長く続けるためにはどうしたらいいかっていうものを意識しながらやっていくってのがすごい大事かなって僕は思っています。
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