美容・健康
04月03日
働くなら好きなことを、と思ったとき、ふいに心へ降りてきたのがネイルだった。エステも歯科受付も通り過ぎ、中学時代からの憧れへ結局戻ってきた。別の仕事を続けながら6つの検定を独学でストレート合格。回り道の果てに天職を掴んだ、その道のりを語る。
Q&A
インタビュー
今のお仕事について教えてください
ネイリストをしております。お客様の爪を綺麗に可愛くする仕事をしています。正社員で、今スタッフは私だけです。
ネイリストを目指したきっかけは
もともと以前は別の仕事をしていたんですけど、やっぱり働くときに好きなことをしたいと思って。そこで降りてきたのがネイルで、そこから勉強をして転職しました。「あ、ネイルだ、やってみよう」みたいな感じで。もともと中学生くらいの時から「ネイリストいいな」という気持ちがずっとあって、働く中でやっぱりやりたいかもとなったのがネイルでした。そこから資格の勉強と練習をして、取得して転職をした感じです。美容はもともと好きで、他の美容もやってみたんですけど何か違うなとなって。違う仕事をしていたんですけど、結局戻ってきた感じですね。最初はエステティシャンをやって、その次は歯医者の受付をして、今はネイリストになって1年ぐらいです。
未経験からのスタートはどうでしたか
そうですね、最初は未経験で、オープニングスタッフだったのでお店もゼロからのスタートでした。でも「お店の最初の人になりたい」という思いが強くて。不安はあったんですけど、1年やってやっぱり自信がつきました。今まで自分を出すことが苦手だったんですけど、それが明るくなったり、自分に自信がついた感じはあります。根はネガティブなんですけど、今はお客さんが私のネイルの写真を見て「可愛くてずっと来たかったんです」とか、「お姉さんにやってもらうといつもみんなに褒められる」とか、そういう声を直接聞けるので。それがやっぱり日々のモチベーションや自信になっていて、やりがいはすごく日々感じられているかなと思います。
取得した資格について教えてください
ネイリスト技能検定とジェルネイル検定というのがあって、それぞれ3段階あるんですけど、全部コンプリートしました。大変でしたね。去年の10月にネイリスト検定一級を受けたんですけど、合格率が2分の1で、50%は落ちるので結構大変で。でも、それもやっぱり「持っている自分」というか。別に仕事に直接活かせなくても、取ったという過程だったり、持っている自分というのが、なんだか自信になるんです。他のネイリストさんでも持っている方がいて、「私は持っていない」とか「いいな」と思っているんだったら、もうやってみようという気持ちで挑戦して。受かったので、よかったです。
施術前に確認することはありますか
新規のお客様には、やっぱりアレルギーなどがあるとトラブルになってしまうので、そのあたりを聞いたりします。あとはネイルって、取れにくい人もいれば取れやすい人もいるので、過去に浮きが出てしまいやすい場合などは、一手間ケアを加えたり、ちょっと違うベースジェルを使ってみたり。あとは少し早めの期間で来ていただいて、トラブルがない期間で様子を見ていただいて、それでも大丈夫だったら「じゃあ1ヶ月に伸ばしてみようか」みたいな感じで。施術のデザイン以外に、そういうことも考えて、お互い相談しながらやったりもしていますね。
接客で大切にしていることを教えてください
私はやっぱり、来てくださったからには、お金も時間もかけてきてくださっているので、私にできることは最大限に提供したいという気持ちで。私自身もネイルが好きで、ネイリストになりたいと思ってから、地元でも回れるだけいろいろなお店に行ってみたんです。サービスや提供の仕方って人それぞれだと思うんですけど、帰るときに「ここに来てよかった」と思って帰っていただきたいですし、その方が私も気持ちよく送り出せて、次のお出迎えも気持ちよくできる。だからWIN-WINな関係でいたいというのは、いつも心に置いていて。寄り添う提供の仕方は気をつけているかなという感じですね。
一年前と比べて成長を感じますか
1年前は、もともと接客業に少し抵抗があったというか。ネイルも未経験でしたし、どういう方が来るかも、立地もわからなかったので、自分がこなすことに集中していました。でも今は、デザインを気に入って来てくださる方や、自分のネイルデザインに絶対的な自信がついてお任せしてくださる方が増えたんです。1年前はやっぱり、不安とか「怖いな」「できるかな」という気持ちから数をこなしていたんですけど、今は「私はできる」という確信が出てきたかなという感じはありますね。
辛い時期はありましたか
一時期、数字を追ってしまった時期があって。でも「それをやめよう」とオーナーが言ってくれて、「今はお客さんが何を求めているかを考えて、お客さんの笑顔の数だけ数えればいいよ」と言われたんです。そこからはもう施術に集中して、お客さんの満足した姿だけを考えたら、今は精神的に辛いということは全然ないですね。
ネイルはどう学んできましたか
ネイルの学び方って、今は結構いろいろあって。ネイルスクールに通って直接学んだり、あとは私のようにオンラインで、材料が届いて動画や教材を見て進めるやり方もあります。ただ、自分でやらないと上達しないですし、「こうしたらよくなる」とさまざまな視点から見ないと上達できない。「これでいいや」と思ったらそのクオリティまでだし、どこまでも追求し続けられるものなんです。それを2年くらい、6個の試験を受け続けて、すごく手が軽くなりましたし、それもあって、より自分に自信がついたという感じがします。
オンラインで学ぶとはどんな仕組みですか
通信教育は、荷物が届いて、コースがいろいろあるんですけど、自分が目指したい級まで取れるコースなどで課題を郵送するんです。手のモデル、美容室のマネキンの手バージョンのようなものがあって、それに「親指に何、人差し指に何」と、レベル1、レベル2という感じで、だんだん検定向けのアートをやったりして。それを添削してもらう場所に送って、添削してもらって返ってくる、という感じです。試験は自分で申し込んで受けて、受かったら次の検定に向けてまた課題を提出して添削してもらう。あとは校舎で1コマいくらという形で、直接学ばせていただけるタイミングを予約もできて、自分で学んでいる方も、通われている方もいる、という感じですね。
お店づくりで意識していることは
日々考えているのは、あんまりこういうネイリストはいないと思うんですけど、お客さんに「次は何のネイルがやりたい?」と聞いて、その人がやりたいものを提供できたら、絶対にまた来てくれるじゃないですか。例えば全国的に人気があっても、私のお店に来てくださっている方に需要がなければ、私がやってもあまり意味がないと思ってしまうので。もう聞いて、「じゃあ練習するから来てね」という感じで、今来てくださっているお客さんを喜ばせようという気持ちなんです。それをインスタに載せると、オーナーが見て「これもやったんだ」「これにも挑戦したんだ」という感じで、いいサイクルになっていて。特に評価というよりは、お客さんの笑顔を見られたらいいよ、という感じですね。
仕事とプライベートの両立はどうですか
仕事が好きなんですけど、でも自分の中でメリハリがないと、仕事のことを考えすぎてキャパオーバーになってしまうので。趣味をいっぱい作って、仕事のことをいい意味で忘れる時間は絶対に作るようにしています。とはいえ、こういう仕事なので休みの日も予約が入ったり、お問い合わせがあったりもするんですけど。自分の時間はちゃんと確保して、考えない時間を作ることで保っている感じはありますね。
腕を保つために工夫していることは
お休みを長くいただくと腕がにぶるので、連休は入れないようにしていますね。長くても3日、2.5日くらいです。長期的に休むと、ネイルをオフするときにマシンで削る機会があって、それが結構——物にもよるんですけど、主流のメーカーのものは、歯医者さんが歯を削るあれのネイル版で、結構重いんです。それはケガにもトラブルにもつながるので、その重さの感覚だけは忘れないようにしないと。筆も持っていないと、感覚と言えば感覚なんですけど、鈍ってしまう。なので、なるべく毎日ネイルをするということを気をつけているかなという感じです。
収入についてどう考えていますか
お金が欲しくてやっていたら少ないかもしれないんですけど、私はそこにあまり重きを置いていなくて。ただやりたくてやっているので、最低限生活ができればいいかなという感じです。もちろん、より一層いただけたら嬉しいとは思うんですけど、自分の中ではやりくりも好きなので、「もっとあったらな」とはあまり思ったことはないですね。ネイルができるだけでありがとうございます、という感じで。
ネイルはあなたにとってどんな存在ですか
結構、仕事に人生をかけて生きているので。なんだろうな、私の中での人生は、きっとネイルなんだろうなと今は思っていて。これができなかったら、もう「生きなくてもいいや」ぐらいの、それくらいの割合で、私はネイルに全力疾走という感じかもしれないですね。実家を出たのもそうですけど、「命かけてます」ぐらいの勢いで、その覚悟で来たという感じはしています。
これからも続けていきたいですか
続けます。最近も考えてはいたんですけど、この先どうなっても、やっぱり何かしらネイルに関わる仕事はしていたいという気持ちがあって。ネイリストって、お店自体がどういう年齢層をターゲットにしているかにもよるし、得意なデザインにもよると思うんですけど、年齢が上がると引退する方が増えたり、経営者側になる方もいて、プレイヤーを卒業するという道もあると思うんです。でも私の中では、自分でやり切ったと思うまでは続けたいですし、それを離れても、ネイルに関わる仕事ってネイリストだけじゃなく他にもあるので、そういう仕事をずっとしていたいという気持ちはありますね。
これからネイリストを目指す人へ
普通に、私が言えるものなんてないですよ、と思っちゃいました。でも、例えば今勉強している方は、「本当に向いているのか」とか——私自身も思いましたし、ネイルスクールに行くと自分より上を目指している方がいて、周りと比べてしまうこともあると思うんです。でも向き不向きは誰にでもあるから、できるできないを考えずに、とにかくコツコツ続けることが大事だなと思っていて。私は検定を受け続けてきて思ったんですけど、「やらない日を作らない」と決めていたんです。働きながら、全然別の仕事をしながら勉強していたので、疲れてできない時や今日はやりたくない時もあったんですけど、例えば1日1本だけやるとか、「今日は眠くて何もできないけど、次の日スムーズに練習できるための仕込みだけしよう」とか。5分でも10分でもいいので、何かしらネイルに関わることをやると決めて毎日続けてきて、検定もストレートで全部合格できたんです。直接的に何かにつながるわけではないですけど、それを積み重ねることが大事なんじゃないかなと思います。
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