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06月06日
企業と外国人労働者、双方の言い分に耳を傾けながら、間違っていることには相手が誰でも「違う」と言う。優しさと厳しさの両方がなければ、人の人生は預かれない。帰国子女として二つの国を知る立場から、架け橋の仕事で大切にしていることを聞いた。
Q&A
インタビュー
今のお仕事について教えてください
外国人技能実習生および特定技能生の職探しなどを行っております。民間の組織で、組合という形ではありますが、民間の組合です。企業からそれぞれ出資していただいた上で成り立つ組合で、主な業務は、一言で言えば、外国人労働者、在留資格としては技能実習生と特定技能に限られますが、その外国人と、人材を求めている企業との架け橋になることです。
この仕事を選んだ理由を教えてください
この仕事で難しいと感じることは
この仕事は、入管や技能実習機構といった国の組織が関わり、法律が絡んでくる部分を覚えなければなりません。法律は分かりにくい言葉で書かれていることも多く、それを覚えたり理解したりするのには、まだ慣れていないところがあります。
生活面のサポートも必要ですか
外国から来た技能実習生の面倒を見るにあたっては、彼らが日本のことを何も知らないのは当たり前の状況です。税金の支払い方や国民年金など、海外にはないものの手続きを教えたり、一緒に連れて行って案内したりしなければならないので、そのあたりにも詳しくないと、とても大変です。
受け入れまでの流れを教えてください
まず最初に、企業様から「こういった人が欲しい」という依頼を、私たちの組合にいただきます。その際、条件に合う外国人労働者を海外の送り出し機関に依頼し、「こういった条件で、この人数が欲しいので、候補者を何人か集めてください」とお願いします。今はオンラインのズームで面談することも多いのですが、もちろん現地に行って直接面接される企業の社長もいます。面接をして、「この人とこの人が欲しい」となりましたら、入国できるよう手続きを進めていきます。入国する前には、だいたい六か月間かかるのですが、その間に送り出し機関という現地の機関で、日本語や文化の勉強をさせてから入国します。入国したら、そのまますぐに企業に入るのではなく、センターというところで日本語を最低でも20日間学んでから、企業に配属という形で送り届けます。これが受け入れまでの流れです。そうしたサポートや、入管への手続きなども、私たちの仕事になります。
仕事はどうやって覚えましたか
研修制度などはありますが、基本的には企業さんごとに「こういうやり方がいい」というものもあるので、仕事をしていく中で自己流になっていることも多いです。もちろん、法に則った方法ではあります。いつの間にか覚えている、という形ですね。私自身、すごく勉強ができるわけでも、書類の作成が得意なわけでもないので、1年半やっていく中で、「これはこういうルールなんだ」「こういう問題はこう対処するんだ」という形で、やりながら覚えていきました。
外国人材の需要はどこから生まれるのか
日本の企業、それこそ建築会社の社長さんなどです。人材を必要としていなければ、私たち自身も送り出し機関に「この人を準備してください」と依頼することはできません。それを求めるのは、日本の企業の社長さんや、採用を決める人事の方で、ほぼそこから生まれます。基本的には「来てください」というスタンスで、来てくれないと、建設会社の現場や工場が回らず、どうしても人が必要になります。日本人も必要なのですが、全然集まりません。日本人を雇いたくないわけではなく、日本人が来ないから、仕方なく外国人に頼っているという面もあります。
この仕事のやりがいを教えてください
実習生が送り出されて六か月、センターで勉強をして、それから働き始めます。初めての日本でいろいろな体験をしてもらって、「こういうことをした」「日本のこういうところに行った」という話を聞くと、すごいな、日本に働きに来てくれてよかったな、と感じます。働くためだけではなく、本当に日本を好きになってもらえるようなことをしていただけると、私の中では「やってよかった」と思えます。そうやって日本を知ってくれたと分かると、この仕事をやっていて良かったと思います。
仕事の面白いところはどこですか
企業さんと外国人が働く際に、私たちの通訳を介してつながっていく、その感覚ですね。あとは私自身、現地面接といって海外で本人たちを探すのですが、そのついでに観光をしたりもするので、そういうところも楽しんでいます。
逆に大変なことは何ですか
私たちも人間なので、完璧な通訳ができるわけではありません。こちらが伝えても、うまく伝わらず、結果として企業さんと実習生の仲が悪くなってしまうこともあります。あとは帰国対応ですね。一時帰国でその外国人が帰る際も、私たちが空港まで送りますし、逆に日本に来るときも迎えに行かなければなりません。飛行機の時間によっては、午前2時に迎えに行って、その後の仕事もまだあるので、9時くらいまで、そしてまた夜まで仕事をする、ということもざらにあります。その翌日に一日家で休むことはできるのですが。
この仕事に必要な資質とは
私は、思いやる心ではないかと思います。外国人のことも確かに大切ですが、企業側の言い分も正しいですし、外国人の言い分も正しい。その折り合いをつける際には、感情の部分から判断しようとします。ただし、決して甘く判断はしません。怒るべきところはきちんと怒りますし、違うところは違うと言えます。企業さんや社長さん、取引相手であっても、「それはちょっと違います」という場合には、しっかりと伝える。そうしたことが必要なのだと思います。だからこそ、今いる同僚の外国人は、育ったのが日本ではなく外国なので、その点をきっぱりとはっきり言える人もいて、私にはなかなか真似できないなと思いながら、尊敬しています。
今後の目標はありますか
特にこれといったものはなく、本当に目の前の仕事を精一杯やる、ということだけですね。この先キャリアアップできるような仕事かと言われると、どうなんだろうと思いますし、今は自分のやっていることに集中するだけで精一杯で、まだ全然考えられていません。
やりがいとお金の関係について
この仕事を通して新しい縁ができていく、というところに、やりがいを感じています。給料は、正直に言うともう少し欲しいなとは思いますが、それでも充分にいただいていると思っています。同僚などは「いやあ、足りないよ」といった話をしていたりもしますね。仲を取り持つために食事に連れて行ったりもするので、そういうところでお金を使います。もちろん経費として戻ってはくるのですが。相手の人生を管理しなければならないのに、自分がしっかりしていないと説得力が出ません。そのためにも、きちんと生きていく上ではお金が必要だと感じています。
この仕事に向いている人は
やはりフットワークが軽い人は向いていると思います。あちこち動き回ることが多いので、フットワークが軽くないと難しいです。私のところは日本チームも普通に働いているのですが、ある程度、言語の通訳ができる人も向いていますし、彼らの、外国人の文化に対して理解を持っている人もいいですね。あとは、間違っていることははっきりと言える人、きちんと指導ができる人。そして、親身になれる優しい心を持っている人だと思います。
この仕事に込める思いとは
私がインドネシアに住み始めたのは、ちょうど小学6年生のときでした。その頃は周りに助けてくれる人が誰もおらず、言葉も話せませんでした。父親は当時日本で仕事をしていて、みんなにからかわれたり、いじめられたりすることもなくはなかったのです。そうした中で私を助けてくれる存在はおらず、私自身、コミュニケーションを取るのも本当に苦手でした。だからこそ、そういう思いを他の人にはしてほしくないのです。私はインドネシアも好きですし、日本のことももちろん大好きなので、その両方がうまくつながっていくような世界になってくれればと、常々思っています。
この仕事を目指す人に伝えたいことは
理解し合うことですね。何事も、ただ怒りや自分の気持ちに任せるのではなく、まずは一度受け止めてみる。そして、自分の中で飲み込んで、そうして解釈したものを、分かりやすいように伝えられるよう、頑張ってください。
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