医療機器、電子回路、ポスティング、コンビニ、配送業——10以上の職種を経験して介護職にたどりついた。軸にあり続けたのは「自分が苦労したから周りも苦労させたくない」という想い。お金もやりがいの一つと語る等身大の働き方観に、これからの歩みを重ねていく。
Q&A インタビュー
今のお仕事を教えてください
今の仕事は、単発アプリなどを利用して、さまざまな職種を経験させていただいています。タイミーさんだったり、今はもう無いメルカリハローさんだったり、あとは介護の専門性が高いユーケアさんだったりといったアプリを利用しています。
介護資格を取得されたんですか
そうなんですよ。去年、令和6年ぐらいだったかな、それぐらいに初任者研修というのを船橋の方で、ベネッセさんのところで取ってきました。これを取るためには、何日間か必ず研修を受ける場所に行って、講師からちゃんと教わらないといけないんですね。どのくらい研修したかという時間が設定されていて、それをしっかり受講しないといけませんし、さらに印鑑もいただいて、ちゃんとやらないと初任者研修の修了証がもらえないんです。それに、これは私が行ってから知ったんですけど、テストもあるんですね。試験が。「そんなの聞いてないよ」と思いつつ、それが意外と大変で。スクーリングをしっかりやって、毎回出るテストもちゃんと合格点を取って、最終試験も通過して、やっともらえるものなんです。
資格を取って良かったと感じる場面は
単発アプリでは、去年の4月だったか、国の方で「資格がないと介護現場で働けない」と強く言い始めてしまったんです。実際、資格がなくても働けたこともあるんですが、ないとダメだというところが増えたので、単発で働きたいときには、やっぱり取って良かったなと感じることがありますね。
他にお持ちの資格はありますか
技能士という、ちょっとコアなものなんですけど、電子回路系の技能士を目指していました。技能士は実技と学科の両方に受からないと名乗れないんですけど、学科の方はうまく受かっていけるんです。ただ実技がなかなか受からなくてですね、それも中途半端になってしまって、もう無理かなと諦めて、しばらく放置していました。その後、医療系の専門学校に行きまして、診療放射線技術の学校に通いました。最終学年で単位は取れたんですが、最後に厳しい卒業試験があるんですね。そこでちょっとダメで、一度留年してしまったんです。最後の学年で、それさえ受かれば卒業できるんですけど、お金がすごくて、1年に100万とかかかってきてしまって。奨学金を借りながら工面してやったんですけど、ちょっと無理だなと思って、それはやめました。それで通信の大学に行って、1年生から法律学科に進みまして、法学士を取っておこうと。後々は資格があった方が生きやすいのかなというのがあって、弁護士とかいいなと思って、弁護士事務所などの面接を受けていたんですね。卒業と同時に就職したいと思っていたんですけど、大手はやっぱり5社ぐらい断られてしまって。
介護ロボットへの想いがあるそうですね
グループホームという介護職で働いていたんですけれど、今、2025年問題で団塊世代が介護を必要としてくるなかで、絶対に人間の体では追いつかないというのを、1年間介護職をやって身にしみて感じてしまったんです。そこから、やっぱり電子回路を習って、今後は介護のロボットとかを作りたいなと思ったんですよ。利用者にも、私たち介護職の人たちにも優しい施設ができたらいいな、ということはずっと考えていましたね。
医療機器メーカーでの経験は
日立さんの医療機器の施設で、半年ぐらい派遣で働いたことがありますね。
工場で大変だったことは
工場って男社会だなというのを実感してしまいました。変なところでちょっと怒られたりとか、パワハラ系がひどくて。労基に相談しても全然取り合ってもらえなかったんですね。そういうこともあって、精神的に参ったところもありましたね。
医療機器の修理業にも挑戦されたとか
医療機器の修理業に行こうと思って、会社を受けて受かったんです。ただ、これはまた運転が必要なんですよ。直すところまで自分で運転していくんですね。私は関東では運転できないので、ということでお断りしたんですけれども。修理業は何年かやらないと資格が取れなかったり、一人立ちできなかったりするので、若いうちに取っておこうと思って、20代後半ぐらいに受けて受かったんですけどね。運転がネックでダメでした。
経験が今の考え方に影響している部分はありますか
社会貢献したいというのが、やっぱり一番にありますかね。自分が10代の頃に苦労したことを、自分も繰り返したくないですし、周りにも苦労させたくない。私みたいに介護職や医療職で悩んでいる人はたくさんいると思うんです。それをロボットだったりAIが補うことで、人間同士のもつれがなくなって平和になるんじゃないかな、というのは20代前半からずっと思っていましたね。
介護現場のIT化についてどう感じますか
実はまだ見れていないんですよ。ICTを導入されている施設さんに、まだちょっと行けていないんです。タブレット端末で入力するといったところは確かに増えているんですけど。私が10代の頃は全部手書きだったんですよね。それが今は端末でぱぱっとできてしまうんです。
他にも経験されたお仕事はありますか
コンビニ自体は10代の頃からやっていて、サービス業ですね。あとはお寿司屋さんが意外と多いです。スーパーの中の裏方でお寿司を作ったりとか、お寿司屋さんのホールでちょっとやったりとか。本当に、職業を変え過ぎてどうなの、というくらいありますね。
配送業はいかがでしたか
女性が大変だなと思ったのが配送業でした。ペットボトルの2リットルが12本入ってるんじゃないの、というくらいの重さで、持てなかったんですけど、持たないと仕事が終わらないので。それでちょっと腰を痛めてしまったりとか。あれは介護業とはまた違って、男性しかできないような重さのものを持ち上げるというのは、ちょっとできないので、無理だなというのは実際ありますね。
コンビニの仕事はいかがでしたか
コンビニは頭を使うと思いますね。フードの揚げ物とかも、一種類ずつ何分揚げるというボタンもあるんですよ。「このフライはこのボタンだよ」とか。でも、やる前にちょっと電子レンジに入れたりとか、一工夫が必要だったりして。あとはレジですね。公共料金だったり新聞だったり、レジの端末を覚えたり。あと検品ですね。今はだいぶ楽になったんですけど、昔は1個1個検品して、何個あるか手で数えていて。今は1個ピッとやればすぐできるんですけど。本当にいろいろあって、トイレ掃除も全部やらないといけなくて、お金の扱いから、郵便の切手、「レターパックはここだよ」「コーヒーはここだよ」と、端末作業がすごく多いんですね。あとはゴミを出して、油掃除をして、フライヤーを掃除してとか。本当に頭を使いましたね。ずっとメモして、次の日に復習してから行ったりしていました。
一番きつかった職種は
やっぱり運送業さんですかね。はた目から見ると簡単にやってそうに見えるんですけど、夜の動き、荷物の動きの量、重さ、女性にはちょっと無理だなと思いましたね。本当にトラックに積み込んでいくんですけど、それを何往復、10往復、何十往復とするので、足もパンパンになりますし、体力的にも。簡単そうに見えてあれは大変です。あとは住所ですね、端末に住所を入れたりとか、システム上でやることがいろいろあるんですよ。そういうのが大変ですね。本当に、ちょっと女性には難しいかなと思います。
おすすめのお仕事はありますか
やっぱり介護職ですかね。社会貢献にもなりますし、自分の実績というか、経験値として上がってくるのかな、というのはありますね。
嬉しかった出来事はありますか
ある施設さんで働き終えて帰ろうとした時に、呼び止められたんです。怒られるのかなと思って、でも何もしてないしと思いつつ、違っていて。「ありがとうね、すごくありがとう」と、事務の人が3人くらい出てきてしまって、5分10分ぐらいずっと「ぜひぜひ来てよ」と言ってくださったのは、すごく嬉しかったですね。単発でもここまで褒め殺ししていただいて、ありがたかったですね。
介護職に向かない人とは
介護職に向かない人は、楽をしようとする人ですね。実際にいたんですよ、働いていて。利用者さんが何か言っているのに、他のスタッフさんとずっと話していたりとか、楽をしようとする人がいるんです。医療系の資格を持った方だと、すぐ座っちゃうんですよ。やっているフリをしているのか、新聞を見ながら座ったりとか。楽をする人は絶対に向いていないですね。
グループホームでのお仕事は
介護だと、10代の頃はグループホームだったんですけれども、これが最初の介護業だったので、本当にもう3ヶ月でやめたいと言い始めたぐらいでした。内容としては、日勤も夜勤も両方やっていまして。グループホームって、リハビリとかデイサービスとは違って、料理から洗濯まで、利用者さんの生活を全部やらないといけないんです。料理しながら「利用者さん起きたかな」とか、消毒したり、掃除もそうですし、全部やっていたんですね。あとは病院までの送り迎えなどもやっていて、本当に全部やっていました。グループホームはこちらの施設で支援されている利用者さまなので、全部やらないといけないんですけれども、ちょっと給料との割合がすごく悪かったですね。夜勤までやって手取り十何万とかだったので、これでは生活ができないと思いました。
仕事と私生活のバランスは
これは本当に50:50で考えていますね。どちらが多くてもダメだと思っていますし、どちらが少なくてもダメで、成り立たないと思っています。50:50だからこそ、私生活も生きがいになり、仕事も生きがいになる。それが私にとってはいいみたいですね。やっとこの年でわかりました。
確定申告サポートのお仕事は
確定申告のホームページのやり方を口頭で説明する感じですね。どうやったら確定申告ができるのかというのを、ホームページなどを見ながら教えるというのをやっていました。でも難しいですね。1週間ぎっちりくらい研修を受けてからじゃないと、できませんでしたね。
お金についてのお考えは
やっぱり、お金をもらうことによってやりがいが生まれますし、あとはお金があれば自分が休めるところも生まれると思うんです。家もそうですし、どこかで食べるのも、休むことの一つなんですけど。仕事に対してのやる気もそうですし、全てにおいて必要なことだなと思いますね。お金はやりがいの一つだと思います。なければちょっとやらないですし、少なければちょっと、ですね。
働かなくてもお金があるとしたら
私は学ぶと思いますね。勉強の方に行くと思います。今まで仕事をしながら勉強してできなかったようなことをやりたいですね。
今後のキャリアプランを聞かせてください
今みたいに多職種でこのまま続けたいとはちょっと思っていなくて。自分は今後、大学で3科目主事も取ってきたので、生活相談員という仕事に就けるんですけれど、生活相談員に就かないと、ケアマネージャーの受験資格となる実務経験になっていかないんですね。例えば看護師さんやお医者さんといった、しっかり資格を持った方だと5年働けばケアマネージャーになれるんですけど。今後はそういうキャリアアップを考えていて、実際に生活相談員として働いたんですが、コロナになってやめたという経緯もあったので、もう一回トライしたいなとは思っていますね。5年働いてケアマネージャーに、と。近所にそういうところが全然ないので、社会貢献もしたいですし、自分で独立というか、ケアマネージャーになればいろんなアドバイスもできるので、やっていきたいなとは思っているんですよね。
派遣で様々な仕事をされるてる方にメッセージをお願いします
本当に、体だけは気をつけてください。壊したら何にもないと思います。私自身も白内障になって手術をして、目が見えない時期がありましたし、コロナになった時期もあるので。体が資本なので、無理して学ぶ必要も、仕事をする必要も、まあお金ですからあれですけど、体第一で。