テクノロジー
02月27日
IT企業の人事として、新卒採用と海外採用を担当。社内外で「会社の顔」と言われる立場で、面接では質問の意図まで丁寧に伝える。一人ひとりに合わせて言葉を選ぶ仕事は頭を使うけれど、その人の可能性を一緒に見つける過程が面白いと語る。
Q&A
インタビュー
現在のお仕事を教えてください
IT企業の人事で、主に新卒採用と海外採用を担当しています。
新卒採用はどんなお仕事ですか
新卒採用に関しては、スカウトサイトやイベントに参加して学生を集客し、そこから面接をして内定までつなげていきます。内定した人たちには会社のことを知ってもらうため、個別の懇親会のようなことをしたり、内定を承諾してくださった方には、社員同士をつなげるイベントを考えたり、内定者同士で交流する機会をつくったりしています。入社までフォローアップしていくというのを、一通りやっています。
海外採用とはどういうものですか
海外採用に関して言うと、新卒採用で外国籍の方、海外の大学に行かれている優秀な方を採用するということです。実際に海外で開かれている日本就職のイベントに参加して、日本語で面接をしたり、場合によっては英語で面接したりすることもあります。そうして優秀な外国籍の方を採用するということをやっています。
海外採用を始めたきっかけは何ですか
もともと子会社が海外にあったということもありましたし、コロナが落ち着いてきたタイミングで、韓国で日本就職に興味がある人向けの採用イベントがあるというのを、在籍している韓国籍の社員から教えてもらったんです。きっと優秀な人がたくさんいるんじゃないかということで会社に提案をして、海外の仕事を自分で探して見つけてきたという感じですね。私がすごく海外好きで、海外出張してみたいというのを口にしていたので、チャンスが降ってきたというか。会社が海外採用を考え始めたときに、社内を見渡してみても、いけそうな人、海外が好きそうな人が私以外にいなかったので、まず声がかかってきた。好きなことややりたいことを口にしていたのが良かったかなと思っています。
人事になるとは想像していましたか
人事をやることになるとは思っていなかったかなと思います。ただ入社前から、海外とのつながりは持ちたいなと思っていましたし、日本国内にいる海外の人の役に立ちたい、逆に海外に行く日本の人たちの役に立ちたい、どちらかの役に立ちたいなと考えていたので、思いもよらない形で、最終的には実現できているなと思っています。
人事は会社の顔だと実感しますか
人事の中でもいろんな役割があると思うんですけど、私は採用の面でお話しすると、結構会社の顔だなというのは思います。よく「会社の顔だよ」と言われていて、あまりピンとこなかったんですけれども、社外、例えば新卒で最初にエントリーしてきて、会社説明会や面接で会う人がその一人なので、その印象で会社の印象が決まったりしますし。入社してきた人たちに就活のときどうだったか聞くと、いろいろIT企業を受けてきたけれど、私の印象を見て、ちょっと面白そうな会社だなと印象に残って、次のステップに移ってくれたという人もいたりするので、会社の顔だなというのは社外の人に対しても思います。社内に関しても、結構たくさん部署があって、大きい部署だけでも10個か11個くらいあるんですけれども、自分以外の部署の人との関わりはなかなか難しかったりします。でも人事って、いい意味で全部署に入り込めるというか、溶け込んでも違和感がないですし、横断的にいろんな部署の人のことも知れたりするので、社員同士のつながりの役割も果たせます。社内向けでも会社の顔としてのポジションになっているのかなというのは、周りの話を聞いていて感じます。
面接で心がけていることは何ですか
自分の質問の意図を相手に理解してもらうことを心がけています。外国籍の人は意図を言わないと、その意図を汲んだ回答が返ってこないことが多くて、聞かれたことが言葉上そのまま返ってくることが多いので、「私はこういう意図で聞いています」とあえて言うようにしたりします。日本の方だと意図を把握して回答することが多いんですけれども、それでも意思疎通の齟齬や認識の齟齬があったりはするので、一人一人に合わせて話し方を変えたり、この人だとこの言い方のほうが伝わるかもしれない、こういう質問をしてみようかな、と考えながら質問をすることが多いです。面接のピーク時にはほぼ一日3件くらいやるんですけれども、人に合わせて変えたりするので、気を使うと言いますか、結構頭を使う場面ではあります。終わった後は10分くらい、一回横になっております。
この仕事の誇りは何ですか
自慢できることで言うと、人の人生に関われる、と言ったら大げさかもしれませんが、自分の呼び掛けや会話の印象によって、その人の進路、一緒に働くことになるのか、他の会社で働くことになるのか、そういった場合もあると思うんです。自分との出会いがきっかけで、その人の人生に何かしら影響を与えられるというのが、結構誇りだなと思っています。
人と話す仕事ならではの魅力は何ですか
いろんな人とお話しするので、いろんな考え方や、それこそ言葉選びや話し方が変わってくるのもあるんですけれども、その人の話し方や、過去どういうことをやってきたかのお話を聞いて、この人はこういう思考パターンの人なんだなとか、こういうふうに活躍できそうかな、入社した後もこういう動きができそうだな、というのを見出していきます。中には話すのがうまい人ばかりとは限らなかったりするので、一緒に見つけていく過程が結構面白いなと思います。
仕事の中に順位をつけるとしたら
将来はどうなりたいですか
将来的には、複数のことができるようになりたいなと考えています。複数のことができるようになって、別のことをかけ合わせるとシナジーが生まれて、それがオリジナルというか、唯一性になるのかなと思っているので、一つの仕事を全力で、人生全部を使って、というのはあまり考えていません。オリジナリティのうちの一つかな、というふうには考えています。
人事の経験は強みになりますか
ご自身にとって仕事とはなんですか
仕事って、一筋縄でいかないことが多かったり、いわゆるやりたくないことをやるとか、成り行きでやることになったということが多いかなと思うんですけれども、その積み重ねで、ある日突然やりがいを感じられたり、達成感が得られたりするものだと思います。すぐには得られないし、自分から欲して得られるものではないけれど、仕事の経験値を積み重ねて、やってきたものから感じられるもの、得られるものが、幸せにつながるのかなと思っています。
5年後はどうなっていたいですか
私、実は未来のことを考えるのが結構苦手で、1年先くらいまでしか考えられないとか、この国に行ってみたいとか、そういうことはあるんですけれども、仕事やキャリアを通してこうなりたいというのは、現時点ではあまりないんです。これまでを振り返って考えてみると、考え方の幅とか、人の立場に立って物事を考えてみるという機会は多かったかなと思うので、視野が結構広がってきたかなと思うんですね。なので、5年後はすごくざっくりとした回答にするならば、自分の人生の深み、人間としての深みが出るような人になっていたいなと思いますが、どういうふうにと言われると困ります。
人事を選択する人へ伝えたいことは
人事って、社内にも社外にも会社の顔となるので、人からの見られ方があって、プレッシャーに感じる部分もあるかもしれないんですけれども、自分の振る舞いや行動によって、たくさんの人にポジティブな影響を与えることができる職種だなと思っています。すごく影響力のある仕事だなと思っているので、人事をされる方は、ぜひ自分の仕事にすごく誇りを持っていいと思っています。
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